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魔王の成りそこない  作者: 味醂味林檎
ベエル暦一七一六年 夏の終わり、そして秋
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第九月二週目第四曜日

 腕の修復が完了した。見た目はあまり美しくはないが、概ね腕としての機能は回復している。世話係はこれで必要なくなる。膨大な魔力を腕の修繕に使ったため、今後は以前ほどの出力で魔術を行使することは難しいだろうけれど。

 それでも、まだ私の魔術はこの施設の者たちより優れている。キャンディはそれを評価し、便利だと言ったが、キャスト財団の総帥がキャンディ・キャストである以上、この組織で正しく能力が評価されるということは期待できない。あの女は純血の魔族ではなく、人間交じりである。魔力だけは人並みにあるようだが、魔術的な鍛錬にはあまり興味がないようで、専ら財団の運営にかかりきりのようである。あの女の一番の興味は恐らく金であろう。魔術師としては下の下である。

 いかに強力な武器を持つ兵士を揃えようとも、こちらが傷つくことを恐れなければ、それは突破できる程度の微細な脅威に過ぎない。私が彼女に従う理由は、逆らう理由もないからというだけのことだ。


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