魔王の成りそこない

ベエル暦一七五二年 思い出は春、後悔は夏

第五月一週目第一曜日

　太陽が眩しくなってきた。

　最近、背中に小さな翼が生えてきた。以前に腕の修繕のために魔力を使い切ってからは縁のないこととなっていたが、この羽が成長すれば再び飛べるようになるかもしれない。尤も、相応に成長には時間がかかるものであるし、無理をすれば苦痛に苛まれるだけだ。今の状態では、この羽は邪魔なだけのものだ。こんなものでは、魔力の予備としても不足だ。

　↑羽があるほうが強い魔族っぽいけど邪魔とか言っていいん？

　↑うるさい。