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魔王の成りそこない  作者: 味醂味林檎
ベエル暦一七二三年 新たなる門出、冬へ向けて

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第十二月一週目第六曜日

 いよいよ今年も終わりに近づいている。この日、私はサンストーンの戦闘訓練に同行した。

 ラック・サンストーンは財団の戦闘エージェントだが、幼い少女であるにも関わらずそうなった経緯は彼女の所有する剣に起因するらしい。私の見たところ、彼女の剣は質の良い魔術品である。その剣にかけられた魔術は、重量の変化に関するものだ。この剣を財団で扱うために、彼女を雇い入れているというわけだ。

 彼女の剣で斬りつけられたものは、物理的には切断されないが、重さが増える。具体的には元の重量の五倍の重さになるらしく、生物も自身の重さゆえに動けなくなるため、いわゆる『すこし不思議なもの』の回収に役立つのだ。もう一度同じ個所を斬りつければ重さも戻る。また見るからに大剣であり、私や他の者が持つとその重量を正しく認識できるが、所有者であるサンストーンにとってはせいぜい包丁程度の重さと感じているようだ。

 この戦闘訓練については彼女の剣の研究もかねているようで、訓練内容は詳細な記録が取られた。

 今回の実験的戦闘訓練によって、私のように強い魔力を持つものが意図的に抵抗を試みれば、剣の効果をある程度弾くことが可能だと判明した。この件で私の拘束を強くするべきだという意見も上がった。別段今更財団に牙を剥こうとは思わんのだが。未だ私の魔力も完全には戻っていないのだし。

 しかしまさか私の魔術を受けても受け流せるとは。魔術品を使っているにせよ、人間も侮れない。

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