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魔王の成りそこない  作者: 味醂味林檎
ベエル暦一七二三年 新たなる門出、冬へ向けて

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第十一月四週目第七曜日

 今回の任務はワタヌキ博士、戦闘エージェントのラック・サンストーンと同行し、ミュウスタットへと向かった。

 目的は、旧い時代に外国から持ち込まれたであろう、古代の魔術品である。いわゆる半永久的魔力生成装置、人工的な魔力炉の一種だ。人間どもがそんなものを活用できるはずもなく、というよりはそれの価値にすら気づいていなかったらしく、それは辺境の山奥の小さな村のはずれに放置されていた。

 回収それ自体は容易であったが、ミュウスタットは人間の国であるから、我々は目立った。特に私だ。いや、ワタヌキ博士も防毒マスクとかいうものを装備していたので異様な外見であったことは間違いないし、サンストーンも少女の体格に似合わない大剣を持ち、目つきが悪く周りに喧嘩を売っているようにも見えるのだが、それよりも私の尖った耳や魔力で作り直した腕がずっと注目されてしまった。修復した腕は腕として機能はするが、外見上は私の角と同様の黒色に変色しており、異形化しているためだ。同行した二人とはあからさまに別の生き物であり、人間というのは自分と違う存在を認めたがらない脆弱な存在だ。

 私は博士によって『いない気がするランプ』なる名称のオイルランプを持たされ、その効果によって人からの視線は少なくなったが、度々私の存在は忘れられかけた。これを便利道具扱いして本当にいいのか?


 ↑それワタヌキに持たせちゃいけないやつ。ケースの鍵がどっかいったと思ってたらあいつまじか。


 ↑財団の警備関係は一体どうなっている。雑さが過ぎるぞ。


 ↑ワタヌキあいつ天才だからそれなりの待遇なのよな。いわゆる上級職員です。


 ↑正気なのか。

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