第十月三週目第五曜日
一角獣の鎮圧を行った。一角獣自体は世界中に生息地が確認されており、祖国ゲエトでもカルガ産の一角獣は軍用に好まれていた。よく躾けられた一角獣は猫のように敵の気配に敏感であり、犬のように主人に忠実であり、馬よりも速さを維持して長時間走ることができるので、私も好んで騎乗していた。
今回キャンディがコレクションに加えようとしていたのは、ウェセルポリスで発見された通常の一角獣より倍近い大きさを持つ個体だった。それの特異性は大きさだけの話ではなく、通常の一角獣より高度な知能を持っており、敵対的行動を取っていた。毛色は赤で、我々はそれを赤〇一と呼称した。
赤〇一は人語を話した。私には理解できない言語であったが、どうやらウェセルポリス語であるらしく、キャンディが翻訳したところによると基本的にこちらを罵倒していたようだ。低俗な罵倒語ばかりで、ろくに会話は成り立たなかったらしい。
結局のところ、それを生かして捕らえることは不可能であると判断され、私が魔術によって拘束し、この時同行した戦闘エージェントのジェリー・ウィローが首を絞めて始末した。その皮は財団研究員であるサマンサ・ピピ博士の指導のもと、キャンディの防弾コートとして加工された。肉は焼くと美味。
……何だか報告書のような書き方になっている気がする。




