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魔王の成りそこない  作者: 味醂味林檎
ベエル暦一七一七年 春の日差し、はじまり

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10/53

第三月一週目第一曜日

 キャンディ・キャストが集めている『すこし不思議なもの』というのが、どうやら強い魔力を持つものであることがわかった。

 彼女自身は魔術師としては下の下であるが、どのようなものが魔術においてよく使われ、あるいは魔法効果を期待されるのかというのは、商人としての肌感覚というものがあるのか、専門的に学んではいないはずだが優れた直感をもっていた。

 その中で、彼女が売り物にせず財団で管理しようとしているのが『すこし不思議なもの』である。どうやら私もその括りに入っているらしい。完全に物としての扱いであった。私が財団から丁重な扱いを受けているのは、私の身柄がキャンディの私物同然であるからだというのは、何とも不服である。基本的に生活に不自由はしないが、人であることを正しく認められていないというのはどうなのか。

 最近になって私に『すこし不思議なもの』を管理する役割が増えた。役割としては回収に向かうエージェントに同行し、財団に収容するまで護衛し、日常的な手入れ等を行う……といったところであるが、いよいよもって私の存在は軽んじられているような気がしないでもない。

 このような扱いを受けるのは、初めてだ。大変遺憾である。


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