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―――002―――

本日2話目です。

読み飛ばしにご注意ください。

 魔力の操作に四苦八苦していると突然手に持っていた宝石が消滅し、頭の中にステータスが浮かんできた。

 いや、正確には少し違うが、浮かんできたが一番近いだろう。

 

 名称:透

 種族名:人魔族 Lv1

     ハチ  Lv1

 

 スキル:

 毒生成、武具召喚(左針、右針)、高温が苦手、低温が苦手、強い火が苦手

 

 EXスキル:

 異次元倉庫

 

 称号:

 転生者

 

 

 

 これは成功したのかな?

 

「おめでとう! ステータス情報は分かったかしら?」

 

 うん。

 もしかして、ステータスってアイテムを使わないと見えないの?

 しかも使い捨て?

 

「基本的にそうね。そしてこれは使い捨てだけど大型の物は使い放題よ。ただ、数が少ないけどね」

 

 そうなのか。

 まあ普通のゲームが何もなしにステータスが見える方が不思議なのか。

 

「普通のゲーム? まあ何もなしでステータスを見ようと思ったら特殊な魔法が必要ね。結局そのアイテムも魔法を閉じ込めてあるだけだから」

 

 魔法を閉じ込める……マジックアイテムかな。

 僕もいずれ使えるようになるといいな。

 

「……残念なお知らせがあるわ」

 

 もしかして、僕は魔法を使えない?

 

「魔法自体は使えるわ。ただ、君は汎用魔法の適性が無い。そしてステータスを見る魔法は汎用系特殊魔法だから今の君は使うことができないわね」

 

 それなら仕方ない。

 まあ、道具で見えるだけありがたいかな。

 

「前向きね。汎用魔法って結構大切なんだけど」

 

 使えないものは仕方ないさ。

 それにいずれ使えるようになる方法があるかもしれない。

 それよりも今は使えるものを使いこなせるようになりたいかな。

 

「それもそうね。とりあえずステータスの説明をするわ」

 

 お願い。

 

「このステータスはその体に備わっている情報を魔法で情報化しただけよ。ちなみに情報の基準を決めているのは神よ」

 

 そうなると、この魔法を作り出したのも神様だったりするの?

 

「そうね。昔ある神が授けたみたいよ」

 

 そうだよね。

 神様が決めてくれる理由はそれだよね。

 

「名称と種族名は分かるわね?」

 

 分かる。

 

「その横のレベルに関しては後で種族と一緒に説明するわね」

 

 分かった。

 

「スキルはその人の特別な能力を戦闘に関するものに限り文字化しているだけね。ここで気を付けてほしいのが、全てを文字化できているとは限らない点よ」

 

 つまり、スキルに無くても特別な能力がある可能性もあると。

 

「その通りよ。スキルはあくまで一部を文字化しているだけ。全てを補うのは少なくともこの魔法では無理ね」

 

 他の魔法で行える可能性はある?

 

「私は知らないわ」

 

 分かった。

 

「次にEXスキルだけど、こちらはスキルと違い外的要因で得ている特別な能力を戦闘に関するものに限り文字化したものね。君の場合は加護の影響で行えるようになっているわ」

 

 つまり、加護が無くなれば行えない?

 

「そうね。ただ、それを行っているうちに自分でも行えるようになることもあるわね」

 

 頑張ります。

 

「最後に称号だけど、神が付けたものよ。特に影響もないし気にしないでいいわ」

 

 はい。

 

「次に各スキルを説明するわね」

 

「まず、毒生成ね。体内の毒袋に毒を生成できるわ」

 

 うん、何となく分かる。

 毒袋の位置も、毒の作り方も。

 これ、作れる毒の種類に制限があるよね?

 

「そうね。最初の内は毒の数が少ないけど、他の毒を持っている魔物を倒せば新たな毒も得られると思うわ」

 

 魔物を倒して毒を得る?

 

「それに関しては種族、レベルに関係するから後で説明するわね」

 

 分かった。

 

「そして生成した毒は尻尾の針で相手を突き刺して注入するんだけど……君には針が無い」

 

 そう言えば無いね。

 まああっても1回しか使用できないとかありそうだけど。

 

「ハチは何回でも使用できるわよ。そこで君の場合は左針と右針ね」

 

 ヒダリバリとミギバリって読むのか。

 まあそれはいいとして、その左右針から毒を注入できるのかな?

 

「その通りよ。ただし事前に毒を込めておく必要があるわ」

 

 毒を込める?

 

「込めたい針を手に持って、体内の毒袋から移動させるイメージで移動できるわ」

 

 ちなみにその針はどこから入手すれば?

 武具召喚とあるから、何もないところから出現させられるのかな?

 

「その通りよ。これは秘術みたいなものなんだけどね、何もない場所に武具を召喚できるの」

 

 便利だね。

 

「そう便利なの。だけど、欠点もあってね。自分以外の武具から特殊効果を得られない事が多いの」

 

 まあ、それは仕方ない。

 

「君ならそう言うと思っていたわ。そして気になる特殊効果を得られない武具の種類だけど、自分の召喚できる武具と似た武具程特殊効果が得にくいみたい」

 

 つまり、自分を使えと武具が主張していると。

 

「君はそう考えるのね。まあ理由はどうあれ自分の召喚できる武具と似た武具からは特殊効果が得られにくいと考えておいて」

 

 分かった。

 

「そして武具の召喚方法だけど最初は、武器名、召喚、と心の中で念じればできると思うわ」

 

 どれどれ。

 左針、召喚!

 

 そう強く念じると同時に一番上の左手へと握られた、銀に輝く一本の武器。

 鋭く尖った円錐に持ち手である短く細い円柱をつなげたような形状をしており、ランスに似た形状をしている。

 そしてこの体よりも長く、ともて細い。

 一番太い円錐と円柱の接続部分ですら、この蜂の握った手よりも少し太い程度だ。

 しかし折れそうな様子は無く、とても力強く感じる。

 

「いきなり成功ね。慣れてくれば念じる事も無くできると思うわ」

 

 頑張ろう。

 ところで、大きさの基準を教えてもらっていいかな?

 この針はどれ程の大きさなのだろう?

 

「そうだったわね。その針はこちらの単位で1メートル程よ」

 

 こちらの単位で?

 ミリの10倍がセンチ、センチの100倍がメートル、メートルの1000倍がキロメートルでいいのかな?

 

「それでいいわ。元の世界の言語に自動変換されてるはずだから認識の差は無いはずよ」

 

 自動変換?

 随時変換されてるのかな?

 それとも基礎知識が変換されてるのかな?

 

「元々魂に言語は無いの。だから体の言語がこちらのものになったと考えてもらえばいいわ」

 

 納得いった。

 そうなるとこの針が1メートル程なので、この体は80センチ程かな。

 うん、とても大きな蜂ですね。

 見たら逃げ出したいレベルです。

 

「こちらの魔物は大体そんなものよ」

 

 なら慣れよう。

 

「それがいいわね。武具の送還方法は召喚を送還に置き換えるだけでいいわ」

 

 どれどれ。

 左針、送還。

 おお、手に持っていた左針が消えた。

 

「1つ気を付けてほしいのだけど、送還条件は体に触れている事よ。送還せずに召喚は出来ない。無くさないようにね」

 

 分かった。

 

「次に高温が苦手、低温が苦手、強い火が苦手ね。これらは特別苦手な場合にスキルとして現れるわ。逆に特別得意な場合も現れるわね」

 

 高温が苦手?

 火が苦手とどこが違うのかな。

 

「高温は温度よ。火については火そのものが苦手なのでしょうね」

 

 ……これ、人魔族や蜂の特性じゃないよね?

 

「そうよ」

 

 そっか。

 僕という個体が特別苦手なんだね。

 

「そのとおりね」

 

 いずれ、克服しないとね。

 

「そうね」

 

 ところでさ、僕喋ってないよね?

 もしかして記憶も読めたりするのかな?

 

「読めるのは浅い思考までで、それも貴方限定よ。一応貴方のサポート妖精だからね。嫌なら思考を読むのを止めるけど、その場合は魔物形態での会話は不可能になるわ。どうする?」

 

 いや、今まで通りで。

 これを嫌う人は結構いそうだけど、僕は問題無い。

 それよりも読んでもらった方が楽でいい。

 

「変わってるわね。普通は勝手に思考を読んでいたことを怒ると思うのだけど?」

 

 そうかな?

 まあ僕だから。

 

「……勝手に思考を読んでいたことを謝るわ。ごめんなさい」

 

 僕に説明する為に必要だったのだろう?

 逆に思考を読んでもらってありがとう。

 

「ふふ。さて、次にEXスキルね。EXスキル、異次元倉庫は……アイテムボックスが分かるわね?」

 

 分かる。

 好きな小説に出てきていたからね。

 

「多分そのイメージが一番近いと思うわ。貴方の異次元倉庫は10メートル四方の元部屋が1個。元部屋の時間経過を設定可能。元部屋を分割可能。分割範囲制限無し。分割数ほぼ無限。分割部屋を分割可能。分割部屋を含めて全ての部屋に名称を設定可能。分割部屋を含めて全ての部屋にドアを設定可能。接続先のドアは手の近く限定で発生可能。みたいな性能ね。これで伝わったかしら?」

 

 うん、何となく分かる。

 試しにそこの鏡を入れてみていいかな?

 

「大丈夫よ。入れてみて」

 

 まず元部屋の時間経過を停止へ。

 そして部屋を分割。

 そしてこの鏡だから10、10、5センチでいいかな。

 ……うん、これで良い。

 そして分割した部屋の名称を鏡へ。

 分割した部屋にドアを設置。

 一番上の右手前に接続先ドアを発生。

 鏡の部屋に接続。

 

 接続先ドアは透明なんだね。

 黒い空間かと思っていたよ。

 まあそれは置いておいて、この中に鏡を入れる。

 おお、何もない空間に鏡が消えていく。

 

 そして切断。

 接続先ドアを消去。

 

 再度一番上の右手の前に接続先ドアを発生。

 鏡の部屋に接続。

 そして手を入れて……鏡を取り出す。

 よし、無事鏡を取り出せた。

 

「おめでとう。君は怖くなかったのかしら? 時間が停止した部屋に手を入れることが」

 

 怖かったさ。

 それでも、無意識に大丈夫だと感じられた。

 

 そして手を入れて分かったけど、接続中は時間が進んでいるよね?

 もしかして接続先の時間経過に合わせるのかな?

 

「その通りよ。異次元倉庫の時間経過設定はあくまでどこにも接続していない場合だけよ。どこかへ接続すれば勝手に接続先に合わせてしまうわ」

 

 時間が合うのは元部屋単位?

 それとも分割部屋単位?

 

「元部屋単位ね」

 

 そうだよね。

 まあ元部屋の数を増やせるように頑張ろう。

 

「その通りよ。加護で得ているスキルだからと言っても慣れなければ十分にその力は発揮できないわ。結局加護と言っても切っ掛けを与えているだけだからね。その人自身に適性がなければ加護自体が授けられないの」

 

 そうだったの?

 なら、僕は異次元倉庫の適性があったと。

 嬉しいな。

 

「私としても嬉しいわね。さて、最後に種族、レベルについてね」

 

 お願いします。

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