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※20160623追記
このタイトルは1章読み切りとなります。
稚拙な文章や微妙な展開等多数あると思いますが、暖かく見守っていただければありがたいです。
よろしくお願いします。
※1章を時系列でご覧頂く場合
本日投稿予定の7話から読み始めて頂き、10話のあとで1話へと進んで頂けますと時系列となります。
まず知覚したのは真っ暗闇な空間。
そしてそこに佇む8つの光。
それらの光は同じ色に感じるが、違う色に感じる。
『示せ。汝が信じるその神を』
これはすでにゲームは開始されていると考えて良いだろう。
そして選ぶのは信じる神。
つまり重要な選択点。
そして選択肢は8つの光なのだろう。
その8つの光は自分を信じろと言わんばかりに輝き始めている。
これは慎重に選ばないといけないのだろう。
だが、情報が圧倒的に足りないのも事実。
ここは直感でいこう。
一番強く輝いているあの光へ……違う。
あの光の先。
まったく光る事の無い、黒の輝き。
今にも消えそうな程に弱弱しく、だが最も力強く輝いているその光。
最初は全く感じることができなかったが、この空間と感覚に慣れたのか徐々に感じることができるようになってきた。
あの黒い光の他にも、まだある。
強く光り輝く8つの光の奥に。
だが、僕はあの黒い光に魅せられた。
そして、その差し出されていた右手を強く握った。
『汝は示した。その神を信じよ』
握り返されたと思った右手は気のせいだったかのように消滅した。
そして自身が先程の黒い光に優しく包まれるかのように感じる。
突然に広く数多にその感覚が感じられる。
その感覚はとても長く感じられ、まるで一瞬のようにも感じられた。
終わりは唐突に訪れた。
その感覚全てが自身の中に吸収されるように知覚した。
『汝は神に認められ、神の加護が与えられた』
その言葉と共に意識が沈んでいく。
次に知覚したのは1つの光。
そして光と僕を包む1つの空間。
「名を」
これはプレイヤーネームに当たるのだろうか?
真白に分かりやすいように透で良いか。
「透」
「透よ。君は今分岐点に立っている。こちらへ進めばもう戻れはしない。あちらに戻ればもう来られはしない」
この言葉は何を示すのか。
最終確認なのだろうか。
「選べ」
「進む。戻る選択肢は無い」
真白が戻らない以上、戻る選択肢は無い。
そして間違いなく真白は進む。
僕が進むと知っているから。
「君の意志を確認した。君に新たな体を構築する。体はあちらの世界で魂と結合されるだろう」
つまり、ここでは体は得られない。
確認は開始後にという事かな。
「最後に頼みがある」
頼み。
ゲームのクリア条件かな?
「救ってほしい」
「何を?」
「……君がこれから行く世界だ」
「断る。それは他の優秀な人に頼むといい」
僕は世界を優先できない。
なのでそれは世界を優先できる人に任せるべきだろう。
例えゲーム内であってもこれは変わらない。
「それでは、たまに頼みを聞いてほしい。勿論、聞いた時に断ってもいい。これでどうか?」
「それならば受けよう」
その条件であれば、断る理由は無い。
「ありがとう」
「僕からも最後に一言だけ言わせてもらうよ」
つい、言葉が出てしまった。
確信は無いというのに。
「本心は隠していても伝わらない。隠された本心は時間が経つ程に、深く深くに沈んでいく。時には吐き出す勇気も必要だ。そして間違いであればそれがいい」
「君は…………」
その言葉を最後まで聞くことは叶わず、意識が沈んでいく。
本当に、間違いであればそれがいい。
「……て、透。起きて、透。……」
声が聞こえる。
その声はまるで昔から知っているかのように僕の意識へと潜り込む。
誰の声だっけ……。
「起きて、透!」
その言葉に辺りを見渡すと、草木に覆われた場所であった。
草木の隙間から遠くを見てもまた草木があるだけ。
一言で表すなら森だろう。
もしかしてここがスタート地点だろうか?
「起きた! まず自己紹介するね。私はブラン。君専属の妖精よ」
妖精?
サポートキャラクターかな?
「キャラクター? 何を言っているの?」
いい演出だ。
「演出? まあいいわ。私は君達がこの世界で不利にならない様に神から付けられたサポート妖精になるわね」
サポート妖精。
この世界の事を教えてくれるの?
「そうね。一般常識の範囲内という制限はあるけど、聞かれれば答えることは可能よ」
つまり聞かなければ教えてくれない?
「基本的にそうね」
ところで不利って何?
「君達転生者はこの世界で言う15歳レベルからスタートするの。能力面は体の構築時に調整できたけど、流石に記憶を弄るわけにはいかないからね。知識面をサポートする為に私達が付けられたの」
納得いった。
でも、適性検査の時はその種族の基本情報が自然に分かったけど?
「それは体の記憶よ」
つまり、記憶や知識とは別物?
「そうなるわ。その綺麗な羽を君は意識的に動かせないでしょう?」
動かせないね。
ん?
羽?
「そっか、君は自分の姿を見えないものね。特別サービスの鏡があるから見るといいわ」
その姿は水色と黒で彩られていた。
水色の頭に黒く大きな目。
力強そうな顎。
水色の体に備えられてるのは6本の足。
特徴的な水色と黒の縞々なお尻。
そして先程褒められた黒く透き通った2対の薄羽。
そう、蜂です。
これは、色違いのススメバチかな?
「君の種族は人魔族。簡単に言うと人の体に魔物の力を宿した種族ね。そして今のあなたの形態は魔物形態。その他にも人形態、半人半魔形態もあるわ」
ひとま?
人と魔物だから、人魔かな。
「宿した魔物はハチね」
そのままですね。
まあ、悪くないのかな?
「ハチは毒と機動力が脅威となる魔物ね。ただ、弱い魔物として分類されているわ」
毒は対策ができるから?
機動力は分からないけど、防御力が低いのかな?
「その通り。魔物であるハチは毒が1種類。そして脆い。まあこれはあくまで魔物の場合よ。人魔族とは比較しない方がいいわ」
まあ、魔物の力を宿しているだけ、だからね。
強さは自分で確認するよ。
「そうしてもらえると嬉しいわ。それにしても君は人魔族、ハチに関して不満はないの?」
どこに不満になる要素が?
「無いならありがたいかな。正直なところ、君は人魔族以外に選択肢が無かったのよ。そして宿す魔物もある程度適性で決まってしまうから」
こちらで生まれた人と同じ条件じゃない?
それで不満は無いと思う。
「ふふ。そっか」
ところでそろそろ姿を見せてほしいのだけど。
鏡が持てていたのだから実態が無い訳では無いよね?
「……浮かせているとは考えなかったの?」
考えてなかった。
「まあ、確かに姿を見せないのは失礼だったわ。ごめんなさい」
その言葉と共に現れたのは人間をそのまま小さくしたような僕の体の3分の1程の少女。
膝に届くほど長い黒髪と優しそうな黒い目はこの世界でもどこか懐かしさを覚える。
その身に纏うは膝の少し下まである黒のワンピース。
そして、背中には黒く透明な2対の羽。
その形は菱形で1枚が体より少し小さい程度。
体と比較して大きく感じるな。
そして背中から生えているのではなく、少し離れた空中から生えているように見える。
羽の位置が中心に十字を描き、その十字から線対称に4枚を配置したようになっているので、あれを飛ばして遠隔攻撃できそうな気がするな。
僕のものと違い、まさに妖精といった感じだ。
「妖精だからね」
うん、妖精さんだ。
そして姿を見せてくれてありがとう。
「いえいえ。それじゃあ次に重要なことを話すわね」
重要。
心して聞きます。
「まず、この玉を持ってみて」
目の前に取り出された紫色の半透明な玉を両手で受け取った。
おっと、どうやら無意識に使うのは一番上の手のようだ。
覚えておこう。
「そして魔力を込めてみて」
このゲーム、やはり出来が凄い。
魔力まで意識的に操作できるのか。
……できないです。
「ゲーム? まあそれはいいとして魔力は分かるわよね?」
何となく。
でも上手く動いてくれない。
「最初はそんなものよ。あとは努力あるのみ」
頑張ります。




