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83 要救助者救出

「今日の依頼は、何があるんでしょうか!」

「あ、見て見て。大きい依頼書があるよ。しかもランク4からだ!」

「ランク4の依頼ということは、ギリギリ受けられるな」

 私達は大きい依頼書を見た。

「えーと、なになに。山にある坑道で、ケガをした鉱夫達の救出?」

「これ絶対緊急依頼じゃん!」

「これは受けるべきだな」

「では、今回の依頼はこれで決まりですわね」

 私達の意見は決まった。

「よし、それじゃあ早速アーミットから依頼を受けよう!」

「おー!」


「アーミットー、掲示板にあった鉱夫さん達救出の依頼受けますー!」

「ああ、ありがとうあなた達。でも、その依頼を受けてくれたのはこれで4組目だから、空振りになっても気にしないでね」

「あ、じゃあひとまずは大丈夫なんですね」

「ええ。まあ、依頼を受けた三組もそう時間変わらないけどね。まあ、追加で行ってくれるとこちらとしても助かるわ。後追いだけど、回復アイテムも忘れずにね」

「あ、そうか。救出ってことは、ケガしてるかもしれないってことか」

「大丈夫ですわ。私なら回復魔法も使えます」

「さすがリューラ、頼りになるドラゴン!」

「ふふ。これもお姉様方のためですわ!」

「というか、リューラなら空を飛んでひとっとびだから、救出するの皆よりもぶっちぎりで早いんじゃない?」

「それだ、ウタハ。私達は速攻で行くべきだ!」

「そうと決まればすぐに出発だな。アーミット、早く依頼の受理を」

「はい。それじゃあこれが依頼受理書ね。あと、あなた達もう一定の依頼ポイントを溜めたから、4ランクになれるわ。ギルドカード書き換えるけど、今出してくれる?」

「カード出すだけなら、いいですよ」

「じゃあ今ちょうだい。帰ってきたらすぐ渡すから。パーティカードもね」

「はーい」

 ということで、アーミットにギルドカードを渡してから、私達はギルドを出た。

「リューラ。今回は急ぎだから、ギルド前でドラゴンになって飛んでっちゃおう!」

「はいですわ!」

 こうしてドラゴンリューラに乗せてもらい、山の坑道へ向かった。


「ありましたわ、坑道が!」

 リューラは素晴らしい視力で坑道への入り口を見つけて、その前に降りた。

「よし。それじゃあ進もう!」

「おー!」

「だがどこに要救助者がいるかわからん。ここは分かれ道で分かれるか?」

 私、マイミ、マトバが言う。たしかにそうだ。救助者の居場所が正確にわかっているわけではない。

「お姉様方、ここは私にお任せください。私のドラゴンセンスなら坑道内にいる人間の居場所を察知することができますわ!」

「おお、さすがリューラ!」

「じゃあお願い!」

「では早く行こう!」

「はいですわ!」

 早速坑道に入る。明かりはリューラが光魔法で照らしてくれる。

 すると早くも道が3つに分かれていた。

「さあ、リューラどっち!」

「ええと、たぶんこっちですわ」

「ちょっと待った、たぶんって何!」

「人の気配はするのですが、それがどの道なら合ってるかまではわからないんですの。方向的にはこっちですから、たぶんこっちですわ」

「なるほど。じゃあ後は、運だよりってことで!」

「確かに、迷っている暇はない!」

「よし、急ごう!」

「おー!」

 マイミ、私、マトバは気合いを入れて、坑道内を走った。


 坑道内には、コウモリのモンスターとネズミのモンスターがいた。

「はあ!」

「てやあ!」

「それ!」

 ビシーンバシーンピシャーン!

「コウモリー!」

「チュー!」

 コウモリとネズミはすぐ倒れる。けれど彼らにかまっている時間はあんまりない。私達は倒しっぱなしのまま奥に進んだ。

「あ、リューラ、分かれ道。これどっち!」

「たぶん右ですわ!」

「信じるぞー!」

 そして2回くらい道を間違えて、やっと私達は要救助者を発見した。


「だ、誰だ!」

「美少女だ!」

「マイミ、違う、そこじゃない!」

「冒険者です。救出依頼を受けて来ました!」

 マトバが声をかけると、救助者達は明らかにホッとした。

「良かった。突然モンスターが大量発生して、焦ってたんだ」

「HPがギリギリなやつも多い。早速回復してくれ!」

「わかりましたわ。回復魔法。全員元気になーれ!」

 リューラがそう言って手からキラキラ光る魔法をとばす。すると皆あっという間に元気になった。

「やった、立てる!」

「よーし、動けるぞ。早く町まで帰ろう!」

「それじゃあ出口まで戻りましょう。出口ってどう行けばいいんでしたっけ!」

「俺達は熟練の鉱夫だから帰り道は憶えている。早く進もう!」

「はい!」

 私達はこうして、ほぼ最速で要救助者達を救出した。


 坑道入り口なう。

「やったー、太陽の光だー!」

「後は山を降りて湖の横を通って草原を抜けるだけだー!」

「ぐううう、食料が尽きてたから腹が減ったー!」

 鉱夫の皆さんはまだ安心しきれていないようだ。

 でも、私にはここで考えがある!

「ねえリューラ、この人たちもドラゴンになって運べない?」

「ええっ、ですが、背にはお姉様方しか乗せられませんわよ?」

「うん。そう思ったから、私が頑張って木魔法で皆が乗れる箱を作るの。そしたらそれをドラゴンリューラが持って飛べば、皆一気に帰れる!」

「おお、その手があったか!」

「さすがウタハ、よく思いついてくれた!」

「えっへん!」

「なるほど。さすがはウタハお姉様ですわ。では、その大きな箱は私が用意いたします。少しお待ち下さい」

「え?」

「えい、木魔法!」

 リューラは手を伸ばすと、その先に魔法で大きな木の箱を作り始めた。

 すごい。めっちゃ早い。

「あ、じゃあ、私は、どうしよう」

「確か他の冒険者も救出に乗り出してるんだよね。救出し終わったっていう立て札でも立てといてあげれば?」

「うん。そうだね。マイミ。そうする」

 私は木魔法で、坑道の入り口に、救出完了しました。と書いた立て札を作っておいた。

 これでよし。

「こちらもできましたわ。それでは皆さん。この屋根のない木の家に入ってくださーい!」

「だ、大丈夫か、崩れて落ちないか?」

「大丈夫ですわ、たぶん!」

 皆戸惑っていたけど、しぶしぶ箱の中に入っていく。

 そしてリューラはドラゴンになって、私達を背に乗せた後、箱を持って飛んだ。

「おお、凄い!」

「皆乗っても、大丈夫!」

 鉱夫さん達も驚き、そして喜んでくれる。

 こうして、私達は鉱夫さん達を無事救出したのだった。

 そして、ちゃんと別れる時に一言。

「それでは皆さん。キャバクランニングに、遊びにきてね!」

「ですわ!」

 まる。



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