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7 羊の毛争奪戦

「門番さん、お仕事おつかれさまでーす!」

「私達、ふわふわ羊を探しに外でまーす!」

「どうか、通してください」

「はい。わかりました。気をつけて行ってください」

「はい。あ、あと、せーの」

「皆、キャバクランニングに遊びに来てね!」

 私達はそう言って町の門をくぐる。門番さん達、皆鼻の下伸ばしてたなあ。えへへ、やっぱり私達が可愛いからかな!

「門番さん達、皆メロメロだったね。やっぱり私が踊り子服装備だったからかな!」

「えっ」

 まさか、さっきの反応は全部マイミのおかげ?

「それを言うなら、私も負けていない。ブルマー装備はなかなか目立つぞ」

「えっ!」

 マトバがマイミと張り合ってるー!

「ほー、つまりマトバは私より輝いてたってわけ?」

「そこまでは言わないが、私の魅力が通じなかったとは思わない」

 二人はそう言って見合った後、やがて私を見た。

「ウタハはどう思う?」

 二人してそう訊いてくるけどお。なぜ私に振る。

「えっと。皆の魅力の勝利。で、いいんじゃないかな?」

「そうね」

「たしかにな」

「一人の魅力より、三人の魅力よね」

「一人ではへし折られても、三人なら大丈夫というわけか」

「う、うん。たぶん」

「さっすがウタハ!」

「流石はウタハだ」

「えへへえ。さ、それよりふわふわ羊を探そう!」

「うん!」

「ああ!」

「あ、ふわふわ羊はっけーん!」

 マイミがそう言って遠くに見える羊の群れを指差した。

「とおっ!」

 できればもうちょっと近くにいてほしかったなあ。

「だが期限は今日中だ。早めに手に入れよう」

「じゃあ、走るか!」

「そうだな!」

「え、そうなの!」

 ふたりとも、元気が回復してきた?

「それ、ダーッシュ!」

「私の装備も走りやすいぞ!」

「ふ、ふたりともー、あんまり先行きすぎないでねー!」

 私はスカートをひらめかせながら、全力で走った。

 うおー、私の装備も軽いはずなのに、ふたりともはやーい! まってー!


 ふわふわ羊の群れに近づくことに成功。

「わーい、ふわふわ羊毛刈り放題!」

「結構おとなしいわね。臭うけど」

 マイミとマトバは早速羊さんから毛を頂戴している。対して私はやっと追いついて、ちょっと休憩。

「でも近くにふわふわ羊がいて、良かったね!」

「それな。よし、1アイテム分ゲット!」

「私も1アイテム分とれたぞ」

「それじゃあもう1アイテム分だね!」

「うん!」

「ああ!」

 ちなみに、私達は魔法で見えないバッグを作ってそこにいろんなものをしまっておける。だからある程度のアイテムの持ち運びは簡単だ。

「まてーい!」

 皆でにこやかにしていると、私達の前に犬をつれた男性がやって来た。

「おじさん、こんにちは!」

「こんにちはー!」

「こんにちは!」

「何言い出すボケ共。この羊は全部おらのもんだで。勝手に毛ばさ刈り取って、この泥棒がー!」

「えー!」

 でも、ふわふわ羊ってモンスターだよね?

 おとなしいけど、飼えないはずでは?

「ちょっと、ふわふわ羊はモンスターでしょ。あんたの物とは考えらんないんだけど」

 マイミもつっかかんばかりにものを言う。

「うるせえ、おらのもんったらおらのもんだ! このビルーと一緒にここに集めただ。それを横取りするでねえ!」

「ワン!」

「なるほど、そうでしたか。ですが、私達にも毛を手に入れたい理由があります。あともう1アイテム分、私達にくれませんか?」

「いいわけあんめえ。あんたらみてえな悪、こらしめたる!」

「ワン!」

 あーっ、マトバが静かに言ったけど、男性は更に怒ったー!

「おまんら、覚悟しろ!」

「ワン!」

 こうして、男性は大きなフォークを私達に向けて、戦闘態勢をとった。

「ま、まさかここで戦闘?」

「武器を持った敵が相手なら、三人で寄ってたかってボコらざるをえない!」

「仕方あるまい。こうなったら、力づくでもらっていく!」

 私達も鞭を構える。バトル、スタートだ!

「今回こそ役に立て! ヒートアップウイップ!」

「もう一度あのゾクゾクを、感じるわよ!」

「ごめんなさーい!」

 マイミ、マトバ、私の鞭が、一斉に男性に襲いかかる。

「え、いやちょっとまって、一度に三人の攻撃は無理、いひいー、あひいーっ、ふわわあーん!」

 ビシンバシーン、ビシンバシーン。

「ワンワン!」

 犬もおそいかかってくるけど、私とマトバは買ったばかりの防具で耐える。マイミはひらりと身を交わす!

 そしてそのまま、犬も一緒にしばく!

「わんちゃん、ごめん!」

「はあっ、はあっ。もっとヒートアップ、ヒートアップよ!」

「獣もしつけるなんて、いけない、快感かもっ、てやー!」

「あーれー!」

「ワオーン!」

 このまま男性と犬は百叩きの刑にあい、昇天した。

「はあ、はあ、はあ」

 私達は、息を切らして戦闘を終える。

「ふうー、なんとかなって良かったー」

「なんかとっても熱くなっちゃった。胸がドキドキいってるよ」

「その内、またやりたくてたまらなくなりそうだ。鞭打ち。私、いけないことを覚えてしまった」

 幸い皆、無事だ。良かった、一番良い装備にしといて。

「とにかくこれで、オッケーよね。マイミ、マトバ、せーの!」

「皆、キャバクランニングに遊びに来てね!」

 よし、決まった!

 そして羊毛を刈り取った後は男性と犬を放置して、町に戻ったのであった。

 防具屋のおじさんに羊毛を渡して、任務完了。けど今日はもうくたくただから、その場で解散した。

 明日からもまた、頑張るぞー!


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