38 やたらカンガルー
さて、今日は元気に冒険者の依頼を受けよう!
「あ、だいだいこんの納品だって。これにする?」
「うんいいよー。場所は、北の道の池の先かあ」
「決まりなら、早く行こう。今日中に帰れたらいいな」
「そうだね!」
「よっしゃあ、じゃあすぐ行こー!」
こうして私達は、だいだいこんを採りにでかけた。
走って池を越えて、その先の草原へ。するとすぐに、カンガルーモンスターがおそってきた。
「カルー!」
「あれはやたらカンガルーだ」
「倒そう!」
「そうしよう!」
ビシンバシーン!
「カルー」
やたらカンガルーは倒れる。
「よし。倒した」
「じゃあ先を急ごう!」
「いや、その前に、やたらカンガルーにだいだいこんの在処を訊こう。ひょっとしたら知っているかもしれない」
「ナイスマトバ」
「じゃあ聞いてみよう。知ってたら教えろー!」
「カルー。カルカルー」
「だいだいこん、知っているぞ。だって」
「さすが、マイミ通訳ナイス!」
「いつも頼りになるな」
「カルー。カルカルー。カルー」
「この先の道の外れにそこそこなりてる。だって。でもだいだいこんはやたらカンガルー達の間で貴重品だから、大勢のやたらカンガルーを倒さないと手に入れられない。だって」
「ふむ。やたらカンガルーをいっぱい倒さないといけないのか」
「でも、私達ならやれるよね。行こう!」
「教えてくれてありがとね、カンガルーさん!」
「カルー」
やたらカンガルーと手をふりあって、先に進む。
するとその先でもやたらカンガルーが現れて、だんだん数が多くなっていった。
「カルー!」
「カルー!」
「カルー!」
「うわあ、いっぱい出てきた!」
「慌てるな。危なくなったら逃げよう!」
「そうだな。冷静に戦おう」
私達は精一杯鞭を振り、やたらカンガルーを倒していく。
「カルー!」
「カルー!」
「カルー!」
手が忙しいけど、手に負えない程ではない。なんとか倒し、進んでいく。
すると、ふと足元に大根っぽい葉っぱがあるのに気がついた。
「マイミ、マトバ、だいだいこんあったっぽい!」
「なにー!」
「よく気がついた!」
「けど、やたらカンガルーがやたら襲いかかってきて、採取どころじゃないよ!」
「全員やっつけたら拾えるよ。ここでふんばろう!」
「もう一息だ。ここを乗り切ろう!」
「うん!」
私達は額から汗を飛び散らせながら、やたらカンガルー達を鞭打っていく。
すると、スタミナが切れる前にやたらカンガルーをほとんど倒し、残るは最後の一体となった。
「カルウー」
そいつは右目に傷がある、凄みのあるやたらカンガルーだった。
「こいつを倒せば、最後だ!」
「よーし、やっちゃって、ウタハ、マトバ!」
「マイミもいくぞ。それ、合わせろ!」
私達は同時に近づき、鞭を振るう。
「カル、カルッ!」
しかしやたらカンガルーは素早く動き、私達の鞭をかわした!
「こいつ、早い!」
「しぶとい!」
「どうやら最後に強いのが残ったらしいな!」
その後も鞭を振るうが、やたらカンガルーは全部回避。
「はあ、はあ、つかれてきた!」
「ちょっと休憩!」
「仕方ないな」
私達は一度攻撃の手をゆるめる。
「カル!」
するとやたらカンガルーはその瞬間をついて、私に攻撃してきた!
「きゃあ!」
「ウタハ!」
「この、よくも!」
マイミとマトバが反撃してくれる。けど、やたらカンガルーはまた回避しまくる!
「カル、カル!」
「くそう、倒せない!」
「曲者だぞ、こいつは!」
「皆、ここはもう一度攻撃の手を止めよう!」
私はそう提案した。
「でもそれじゃあ、また反撃をくらうよ!」
「その隙を狙うの。相手の攻撃に合わせて、カウンターを決めよう!」
「なるほど。それじゃあ、攻撃を止めるぞ!」
「うん。1、2の、3!」
私達はまた攻撃の手を止めた。
「カル!」
すると、やたらカンガルーの目が光り、また攻撃してきた。狙いは、私か!
「それ!」
ビシーン!
私は、またやたらカンガルーの攻撃を受けた。
でもそのかわり、やたらカンガルーの腕に鞭を巻き付かせることに成功した!
「カル!」
「今がチャンス!」
「でかした、ウタハ!」
「必殺、ウェルカムトゥヘブン!」
ビシンバシーン!
「カルー!」
二人の鞭をくらい、やたらカンガルーが吹き飛んだ。そのまま、倒れる。
「やたー、勝ったー!」
「ありがとーウタハー、怪我はないー?」
「うん大丈夫ー」
「まさに、肉を切らせて骨を断つだったな」
「よーし。それじゃあだいだいこんを採ろう!」
「おー!」
そしてだいだいこんを採取した後、私達は倒したやたらカンガルー達に話しかけられた。
「カルー」
「お前たち、ナイスファイトだった」
「カルカルー」
「我らは戦いが好きなのだ。だいだいこんはそのままあげるから、また戦いに来てね。だって」
「だったら、キャバクランニングに遊びに来てね!」
「キャバクランニングなら、いつでも接客バトルができるぞ」
「カルー!」
「まじで、わかった、行く! だって!」
「やったあ。じゃあ、ご来店、お待ちしております!」
こうしてやたらカンガルーへの客引きも成功してから、私達は町に戻ったのだった。




