12 休日
キャバクランニングでアンミ先輩に定時連絡をしていると、私達はアンミ先輩にすごくほめられた。
「あなた達、よくやってくれたわ。あなた達のおかげで今キャバクランニング内の空気はすこぶる良いわ」
「え?」
「あの、私達、何かしました?」
「アオアジュースとしぼりたてミルクがドリンクとして使えるようになったでしょ。アルコール飲料じゃないけど、客じゃなくてキャバ嬢の中で人気高いわ」
「あ、ありがとうございます!」
「アオアジュースは酔い醒ましになるし、しぼりたてミルクはバストアップに良いと言われているの。皆、こぞって飲んでいるわ」
「ば、バストアップ!」
「それ、私も飲みたーい!」
「これ以上育つんですね!」
私達のテンションもアップする。
「その可能性は期待大よ。この調子で、外での活動頑張ってね」
「はい!」
「あと、有用なドリンクを調達したということで、現金を授けるわ」
「はい!」
「やったー!」
「ありがとうございます!」
チャリーン。
「え、あの、先輩。この量、本当ですか?」
「前の時より多いじゃないですか。良いんですか!」
「ええ。これくらいあなた達は大健闘したってことよ。もっと頑張ってね」
「はい!」
こうして私達は、臨時収入で小金持ちになったのだった!
「ねえ、今日は休みにしない?」
キャバクランニングを出た瞬間、マイミがそう提案する。
「え、でも今日も張り切った方がよくない?」
「折角お金いっぱいもらったんだから、今日一日くらい贅沢に過ごしたい!」
「確かに。最近私達働きづくしだったし、今日くらいは良いかもな」
マトバが賛成する。んーでもそうかあ。なら私も。
「じゃあ、今日はいっぱい休んじゃう?」
「そうしよー!」
「じゃあ、何しましょうか」
「生活の基本。衣食住を堪能しよう。まずは衣食住の衣!」
「お洋服だね!」
「確かに、いいかも。かわいい服があったら買いましょう!」
「おー!」
皆で拳を振り上げて、私達はお洋服屋さんに向かった。
「いらっしゃいませー」
町で一番大きなお洋服屋さん。そこで私達はたくさんお洋服を見る。
「あ、これかわいいかも!」
「これもいいんじゃない?」
「うーん、これは私にはちょっと」
どれもセンスが良い。そしてちょっと高そう。
でも、私達には今お金があるから、大丈夫!
「んー、私これにしようかなあ」
「あーっ、これも良いなあー!」
「んー、これも違う」
じっくり選んで、とことん悩んで、ばっちり選択する。
そして。
「店員さーん、これくださーい!」
「はい、お買い上げ真にありがとうございます。ここで装備していきますか?」
「はい!」
私達は、いつもの際どい衣装から一転、おしゃれな町娘スタイルに変身した!
「イエーイ、ウタハ、マトバ、似合ってるよー!」
「ありがとうマイミ!」
「マイミも、よく似合ってるぞ」
「うんっ、私が一番よく似合ってる!」
「それ言い過ぎ」
二人でつっこんでから、改めて三人で顔をつきあわせる。
「さて、それじゃあ次はどうする?」
「そろそろお腹も空いてきたし、ここは衣食住の食、レストランに行こう!」
「そうだな!」
「よーし、それじゃあレストラン、どこにするー?」
「折角だから、一番高いレストラン行くー!」
「それはちょっと不安だが、まあ、たまにはいいかもしれないな」
こうして私達は、この町で一番高いレストランに行くことにした。
そして、着いて、入って、値段を見て、戦慄する。
「た、高い」
「うちとほぼ同じ値段じゃん」
「予想はしてたが、結構するな」
私達はそろってメニュー表を見る。
「決めた。私はサラダにする」
「マトバ、それだけ?」
「ああ。貯金もしておきたいからな」
「マトバがそれなら、私もそれにするー」
まあ、比較的安いサラダだけでも、それなりにするんだけどね。
「じゃあ私は肉食べるー。折角だから肉食べたい。肉肉肉ー!」
「おお、マイミいくねー」
「ここはブランド牛、はスルーしてえ、んー、鶏肉の二十種野菜煮込みスープ?」
「あ、それでも安いやつだ」
「だって、ちょっとお高すぎるから。く、甘く見てた!」
「まあまあ、きっとどれも美味しい。折角の食事を楽しもう」
こうしてオーダーを決めて、私達はごはんが来るのを待った。
結果。
「このサラダ美味しい。野菜も新鮮だけど、このドレッシング、最高だよ!」
「ああ。フォークが止まらないな」
「スープの中に鶏肉2きれしか入ってないけど、これ美味しすぎーっ、どえれえもんげーまんでうまい!」
私達は大満足だった。そしてレストランを出て、深呼吸する。
「すうー、はあー。よし。ごちそうさま。正直ちょっと物足りないけど」
「まあまあ、貴重な体験だった」
「次は絶対ステーキ食う! でもその前に、あとは衣食住の住、堪能しよう!」
「というと、どこ行くの、マイミ?」
「ボーイズハンティング。これから将来の旦那さん、探しに行くわよ!」
「では、本当にどこに行こうか?」
「わかんないけど、適当に探す!」
こうして私達は、適当にあるき出した。
「警官は駄目ね。暴力団におそわれた時、役に立たなかったし」
「金持ちもー、お金で女の子釣ってるだろうからあ、私達には引っかからないかなあ」
「じゃあ兵士にアタックしてみる? 兵団は町をモンスターから守るナイト職業だし、人気者だよ。あるていどは」
私がそう提案すると、マトバとマイミはうなずいた。
「それだ」
「じゃあ、ダメ元で行ってみようか」
「うん、決まり!」
こうして私達は、兵団本部に顔を出してみることにした。




