表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公爵令息様を治療したらいつの間にか溺愛されていました  作者: Karamimi
番外編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/36

地方に出張治療に行く事になりました【5】

久しぶりにシャディソン公爵家の屋敷に戻ってきた。さすがに5日も仮眠しかとっておらず、ずっと魔力を使っていたせいか、ものすごく疲れた。


早速準備してもらった部屋に戻り、湯あみをする。疲れていても、さすがに湯あみをしないまま眠るのはちょっと気持ち悪い。といっても、メイドたちが体を洗ってくれるので、私は座っているだけでいいのだけれどね。


湯あみ後は、髪を乾かしてもらい、早速布団にもぐりこむ。よし、寝ようと思った時だった。


コンコン

「セリーナ、お腹が空いただろう?さすがに食堂に行く元気はないだろうから、食事をここに持ってきたよ。せっかくだから、一緒に食べよう」


訪ねて来たのは、ルーク様だ。そういえば、お腹も空いている。


「ちょうどお腹が空いていたところでした。ありがとうございます!」


ルーク様がテーブルに2人分の料理を並べてくれた。そういえば、ずっとサンドウィッチなど、冷たいお料理ばかり食べていた。久しぶりに温かいお料理が食べられるのね。


早速椅子に座ってフォークを掴もうとした時だった。


「セリーナ、疲れているだろう!僕が食べさせてあげるよ」


そう言って嬉しそうに食べ物を口に運んでくれるルーク様。きっとルーク様も疲れているはずなのに、わざわざ食べさせてくれるなんて。


「ルーク様、ありがとうございます。ルーク様に食べさせてもらうお料理は、とてもおいしいですわ。それじゃあ、次は私が」


お肉を小さく切り、ルーク様の口に運ぶ。そういえば、こうやって食べさせ合いっこをするの、なんだか久しぶりな気がするわ。


「セリーナが食べさせてくれる食事はとても美味しいよ」


そう言うと、私を抱きかかえ、膝に座らせたルーク様。


「ここ数日、ずっと治療に当たっていただろう。たから、全然触れ合う時間が無くて、寂しかったんだ」


そう言って後ろからギューッと抱きしめてくれるルーク様。私も後ろを振り返り、そのままルーク様に抱き着いた。


「私も寂しかったです。こうやってルーク様に抱きしめられていると、もの物凄く落ち着きますわ!」


久しぶりに感じるルーク様の匂い。やっぱり落ち着く!


その後お互いに食べさせあいながら、ゆっくり食事を楽しんだ。お腹が一杯になったら、再び眠気に襲われる。そんな私を見て、ルーク様がベッドに寝かせてくれた。


「セリーナ、せっかくだから、明日は少し街に出て買い物をしよう。そして、明後日王都に帰ろう。その為にも、しっかり休むんだよ。おやすみ」


そう言うと、おでこに口づけを落として部屋から出て行ったルーク様。


明日は街に行くのね。そういえばこの地に来てから、一度も街をゆっくり見れていない。それに、久しぶりにルーク様と一緒にお出かけだ。最近忙しくて、王都でも2人で出かけることは少なかったものね。なんだか、楽しみになってきたわ。


明日の事を思いながら、ゆっくり目を閉じたのであった。



翌日

なんだか周りが騒がしいわ。一体どうしたのかしら?


ゆっくり目を開けると、目の前にはルーク様とグレイス様の姿が。


「キャーー!お2人とも私の部屋で何をしているのですか?」


びっくりして飛び起きた。


「違うんだセリーナ。グレイスがセリーナの部屋に忍び込もうとしていたから、止めただけだよ」


「おいルーク、適当な事を言うな!僕はただ、セリーナ嬢が中々起きてこないから、心配で様子を見に来ただけだ!それを見たルークが、ギャーギャー文句を言ったのだろう」


「嘘をつくな!明らかに部屋に勝手に入ろうとしていただろう!そもそも、僕の可愛いセリーナの寝顔を見るなんて、図々しいんだよ!」


2人が私の頭の上で激しく口論をしている。


「とりあえず、お2人とも落ち着いてください。すぐに着替えますので、一度外に出ていただけますか?」


私の言葉で、しぶしぶ出ていく2人。ふとメイドたちを見ると、明らかに苦笑いしていた。とにかく2人のせいで、すっかり目が覚めてしまった。早速メイドたちに手伝ってもらって、ワンピースに着替えた。


今日は街に出かける事になっている。そう、久しぶりにルーク様とのデートだ。髪もハーフアップにしてもらい、準備完了。


とりあえず朝ご飯を食べるために、食堂へと向かった。既に2人が座って待っていた。ただ、ものすごく険悪なムードだ。


「2人とも、お待たせしてごめんなさい。早速頂きましょうか」


私が席に着いたところで、朝食スタートだ。さすが公爵家の朝食。物凄く豪華だ。


「セリーナ嬢、ここら辺は酪農が盛んでね。今日の朝搾ったばかりの牛乳だ。飲んでみて」


グレイス様に渡されたのは、牛乳だ。搾りたての牛乳を頂けるなんて、なんだか贅沢ね。そう思いつつ、早速飲んでみる。


「グレイス様、この牛乳、とても濃厚で美味しいですわ。こんなおいしい牛乳初めて飲みました!」


「喜んでもらえてよかったよ。そうだ、せっかくだから牧場を案内するよ。チーズやハムなども作っているから、見学していくといい」


「まあ、それは素敵ですわ。でも、今日はルーク様と街を観光する予定になっておりますの」


そう、ルーク様とのデートが控えている。


「街なんて王都と似たようなものだ。せっかく領地に来たのだから、領地ならではの事を体験した方がいい。いいだろう?ルーク」


確かにグレイス様の言う通りだ。ちらりとルーク様の方を見る。


「わかったよ!セリーナも行きたそうだし。その代わり、午前中だけだぞ。午後はセリーナと街に行くのだから」


どうやらルーク様の許可が下りた。牧場に行くのは初めてだ。楽しみね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ