チュートリアル
2030年:地球
日本
中辻高校
10月20日
「渉君あなた一体何をしているの?」
そして、僕に気づいたクラスメイト、学年の生徒、別校舎の生徒、そして全職員がわたるへと視線を向ける。
「僕は先のステージに進むのさ」
そして、6階建ての校舎の屋上から飛び降りる。
「渉くーーーーーん!!!!」
みんなの絶叫が聞こえる。
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ある人は言った、哺乳類は魚類から進化していったと。
ある人は言った、生命は大気中の成分が素になっていると。
ある人は言った、地球はビックバンが爆発してできたと。
考えてみればわかるだろう。何か素があればそこから変化、進化は起きる。全ての起源の先を見るとそこにはきっかけが、土台が必要である。つまり、無からは何も生まれないのだ。
このワールドは複雑にすることで起源が無くゲームであることを認識されないようにしている。だが、僕はそんな罠には引っかからない。
このワールドの本性を体現する単語は一つだけ『ゲーム』だ。
そう、これがゲームだとしたら何もかも納得がいく。
無から何かを生み出せるのはゲームという空間だけなのである。
そして僕は分かってしまった。
『この世界は、神によって創られたワールドであり、ゲームである』と。
ゲームならクリアがあるし、ゲームマスターもいる。
そして、このワールドは身体の成長中の最低限の時間、保護するためだけのもの。
そう、この世界での死こそがこのゲームのチュートリアルを
終わらせる方法なのだ。
現代人の多くは医療発展により寿命が昔より多くなったことに喜んでいるかもしれない。だがこれは、想定より無駄にチュートリアルを長くさせるように誰かが仕組んだ罠だ。そしていつしか長生きすること(チュートリアルを長く続けること)=良いこととされるように誰かが仕向けたに違いない。
チュートリアルを早く終わらせることは、このゲーム最強への近道ってわけだ。
地面への距離が高くなっていく
みんなの絶叫が遠のいていく
「攻略法を考える脳の無いクズは、だらだらチュートリアルをやってやが、」
グチャッ
『チュートリアルを終了しました。』