2-1
気がつくと森の中に居た。
夕方だ、日が沈みだしている。
俺が居るところは石造りの神殿なんだろうが、長年放置されていたのか荒れ果てている。
天井も崩落しているし、雨を防げないぞ。
地面は石畳で舗装されているので森にはなっていないようだ、木の根はアスファルトでも押し上げて出てくるというがこの地面はそんなことはなくちゃんと舗装されたままだ。
大昔にはかなりしっかり作ってあったのだろうと思う。
天井すら無い神殿も土地だけ見ればかなり広くて大昔はさぞかし立派な神殿だったんだろうと思う。
視線をずらすとNNN54と呼ばれてた女が呆然としていた。
「力が全部剥奪されてる、非力な人間の小娘と変わらない……こんなモンスターとか山賊とかがウロウロしている超危険な場所とか1日で死ぬわ。こうなったら……」
なんか言ってる、それにしてもこれからどうするか?
これまでの話を整理してみよう。
あの部屋に居た人は既に全員死んでたけど自称神様のネフロレピスが一時的に生き返らせてくれていた、1人だけそのまま異世界に行かせてくれる、力を望んだらネフロレピスの分身と融合した、NNN54とかいう名前の女がついてきた。
なんか疑問があったらNNN54に聞いてくれということだったが本人は深刻な顔でなんか独り言を言ってる。
「聞きたいことがあったら君に聞いてくれって言われたんだけど、聞いてもいいかな?」
「聞いてもいいけど、大したこと知らないわよ。それと教えてもいいけど一つだけ条件つけていい?」
「別にいいけど」
「力を貰いたいわ、でも他の流派の魔法使いや武闘家に対する冒涜的な闇の秘術で、私も一度もやってことないのよ。気軽にやるものじゃないし」
「気軽にやるもんじゃないと言うけどネフロレピスはサクッと分身作って融合してたけど」
「あの術は本来、超難しい術で分身の用意から融合まで10年くらいかかる大魔法よ。今の貴方がやるには時間がかかりすぎるわ……そもそも相性が良くなくても使える術だし、私と貴方は相性が良いみたいだからもっと手っ取り早い方法があるのよ、貴方が相手に力を渡す方法が」
「どんな方法で」
NNN54が黙り込む。
じっとこっちを見てきた。
「よく見るとなかなかのイケメンね、私は問題ないけど問題は貴方がどう思うかよね……男女で使う冒涜的な闇の秘術、同性でもできるけど」
そう言うとNNN54は上着を脱ぎだした。
「じゃあ、やりましょうか。こんな形で大人の女になるとは思ってなかったけど、あなたは好みだし、あなたが嫌じゃなかったらでいいんだけど」
「つまり」
「姦淫とかセックスとか色々な言い方があるあれよ、あれ」