8-1
夕暮れ時、天使アイリーンは町を歩いていた。
目立たないような地味な服を着込んで町の中を歩いている。
つけられているなあとわかるがいまいち正体がわからない、しかも数が多い。
まるっきり素人っぽいどころか隠す気も感じられないのが27、そして殆ど完璧に気配を消してるのが1。
尾行をまいてもいいが何かあるかもしれない、新聞や雑誌よりは色々知っている可能性が高い。
特に完璧に気配を消している1人。
この美少女天使アイリーンの気配察知能力を侮って貰っちゃ困るとアイリーンは思った。
いつまでも襲ってこないのでわざわざ人気の無い広場にきた、近くには民家も無く月明かりだけが光源だ。
ぞろぞろと27の影が現れた。
「尾行しているつもりですかー?」
天使アイリーンがわざとらしく言った。
「……」
「……」
「……」
月明かりに照らされて現れたのは明らかに目の焦点があってない、口からだらだらとよだれを垂らしている男女、子供も居る。
おおよそ生者とは思えない顔色をしている。
「うー」
集団の中の男が一歩前に出る、眼球がボトリと地面に落ちた。
どうやらもう腐っているようだ。
「襲いかかってくるなら返り討ちにしちゃうわよ? って言葉理解できてなさそうね、ゾンビかしら?」
27の集団は手に家庭用の包丁やそのへんに落ちてる木の棒などで武装して走って突撃してくる。
「走るゾンビ? しかも武器を装備しているゾンビ?」
27の集団が天使アイリーンの元に到着しそうになったところで次の瞬間、天使アイリーンは27の集団をすり抜けて着地した。
次の瞬間、ゾンビ? 達が倒れていく。
地面に倒れ込む前に消滅した。
「やるじゃねえの、雑魚とはいえこの数を倒せるやつが一般人なわけねえ」
月明かりに照らされて4本の腕を持つ男? が佇んでいた。
4本の腕には馬の上で振り回すような長く分厚い両手剣をそれぞれ、合計4本持っている。
マフラーをしていて顔の下半分を隠している。
血走った両目が大きく開かれている。
それほど大きい声を出していないというのによく聞こえる声をしている。
「なんのことやら」
天使アイリーンはおどけてみせた。
「こそこそと嗅ぎ回っているネズミ、お前だな、闇の新興宗教団体ネフロレピスの幹部、天使を自称するアイリーン」




