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7-4

俺は付近の亜人の村の村長や村長代理に招集をかけた。

魔王系モンスターであるゴブリンの王が直接、村々をまわって集まるように言うとみんな素直に集まった。

複数の村を束ねている者も居る。

全部で24名の亜人たちが集まっている。


この広大な湿地帯やジャングルや大森林に住む亜人たちの数は30万に届くといわれている。

実際にはもうちょっと多いようだ。

ちなみに亜人をモンスターと呼ぶのは、人間にとって亜人の中に居る危険な討伐対象のことらしく本来は蔑称だったのだが、亜人達はモンスター呼ばわりされることを好ましく思っているふしがある。


プレイヤー対プレイヤーで戦うネトゲーで自分の名前を「サイコパス」としている人を何度か見ているので似たようなものなのだろう。


俺はおもむろに話を切り出す。


「今日集まって貰ったのは、村の防衛についてだ。このままでいいと思うか?」


「ヨクナイナ!」


甲高い声を上げるトカゲ人間、リザードマンという種族らしい。

それに続くように羽の生えた人間みたいなのが発言する。


「村々で単独で戦っていたら、人間たちのもつ『軍隊』というものには勝てない、それはわかっている」


「ソウダ!」


他の発言せず周囲の顔色を伺っている連中も頷いている。

やはり勝てないことはわかっているのだろう、魔王系モンスターであるゴブリンの王すら人間の軍隊に敗退したことは知られているようだ。

だからゴブリンの王を侮っていた亜人、モンスター達も多かったようだが実際に村に来た魔王系モンスターであるゴブリンの王を見たらみんな震え上がってしまい、立ち向かえそうなものはごくわずかだったという。


ちなみに下半身がヘビのラミア族もきている。

暗黒神官デイジーと会ったら不味いかと思ったら特にそんなことはないようだ。

亜人同士ではわりとよくあることらしい。


豚頭の人間、オークが言った。


「我々が村の垣根を超えて戦う時は村から戦士を選出します、そして『村の代表戦士達』で軍隊を作ります、これで戦うのです。村はオーク族のものだけで100を超えます。これだけあればなんとかなるかも」


「俺もちゃんと集まればいい線いくと思うが、いざというとき集まれるか? どの村に集まるかでモメたりしないか?」


「……今までで一番多く集まった時でも、17の村だけでした、残りは意見が合わず単独で戦っておりました」


「魔王系モンスター ガ 必要 ダ!!!」


「私もそう思います、モンスター達は足並みが揃わない。自分の種族に対する絶対命令権を持つ魔王系モンスターがいないとまとまれない」


そうだそうだとさっきまで黙って成り行きを見てた者達が声をあげる。


「静粛に」


俺がそう言っても喧騒が止まない。

やれやれ。


俺はゴブリンに支持して部屋に飾ってあるとてつもなく大きな音がなる丸い鉄の板を鳴らさせる。

力自慢のゴブリンが力いっぱいハンマーで丸い鉄の板を叩くことでとてつもなく大きな音がなるのだ。


その音がやむと静まり返っている。


「集まる場所でモメるのなら簡単だ、俺の元に集まればいい」

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