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7-3

「魔王系モンスターねえ」


聖女アプリコットの部屋、日ごとに無表情になっていく聖女アプリコットを不審に思って聞いてみたらこういう無表情なのが普段通りでここでの暮らしが日常になったきた証拠だから安心してほしいとのことだった。


部屋には書籍が積まれている、読みかけの書籍が机の上に置いてある。

たまにテレポートでこっそり町に行って買ってきて読んでいるそうだ。


ちなみに他の聖女2人とはもう会うに会えないということらしい、表向きには死んだということになっていてなおかつ上層部は危険な存在ということになっているうちに攫われて操られているという認識らしいのでこっそり会ったりしたり聖女2人の立場が不味いということらしい。


それでも無事なことだけでもあの2人に伝えたらということは話したが聖女イリスはうっかり喋っちゃうことが多いので重要なことはイリスには教えないということを本人も同意しているので重要なことは教えないということらしい。


そして聖女マルガリータは絶対に引き止められてここに戻るわけにはならなくなるか、もしくは聖女を止めてこっちにくる可能性が高いのでやっぱり会うわけにはいかないということだった。


それはそうと今日は魔王種とか魔王系とか呼ばれているモンスターの話をしにきた。

先程天使アイリーンと話した内容をそのまま伝える。


「ここのゴブリンは随分と気が利くなあと、思ってたらやっぱりゴブリンの王の効果だったわけね。魔王系モンスターは人類の天敵、対抗的でるのは聖女、英雄、勇者の3つの存在だとされるわ」


「3つの存在について詳しく」


聖女はまあ知っての通り、英雄はまあ色々なのが居るけどやたらと強い人間だと思ってればいいわ、たまに人外だったりするけど。勇者っていうのは世界に常に1人しか居ない存在で死ぬと次の勇者が覚醒するらしいわ」


「勇者ってやっぱり超強いの?」


「ピンキリねえ、やたらと弱い勇者も居たって聞くし。もっともその勇者は死ぬと時間を巻き戻してやり直す能力を持ってて勝率が0.0001%でもあったらそれを引き当てるまでずっと再戦し続けて勝つタイプだったらしいわよ」


「なにその厄介な能力」


「貴方なら勝てると思うわよ。概念レベルというか世界の理レベルで存在抹消されると時間巻き戻しもできなくなるし、冒涜的な闇の儀式で力の一部を貰ったから、私でも問題なく勝てるわね。問題は時間巻き戻ししているタイプの相手かどうかを識別できるかどうかってところになるのかしら……まあ勇者の話はこれくらいにして、魔王系のモンスターの話だっけ?」


「そうそう」


「そもそも貴方って魔王系モンスターじゃないの? 最初はそう思ってたんだけど」


「俺が?」


「ゴブリンを強化したゴブリンの王みたいに人間の私を強化できたし、一般ゴブリンと明らかに格が違うゴブリンの王みたいにただの人間とは明らかに格が違うし、ゴブリンに対する絶対命令権を持ってるゴブリンの王と違って絶対命令権は無いみたいだけど、これはゴブリンの王の絶対命令権がゴブリンにしか効かないように貴方も人間へは絶対命令権が無いだけ……魔王系モンスターの特徴は大体揃ってるでしょう?」


「言われてみれば、俺は魔王系モンスターだったのか」


「ああ、それは違うわ。貴方の種族は人間で適性は魔法使いだから」


「じゃあ違うか、話が脱線しがちだから戻すけど。魔王系モンスターの出現ってどう思う?」


聖女アプリコットの話は脱線し続けて何時間でも長話が続く癖があるので、俺の方で話がちゃんと進むように修正しておく。


「タイプによるとしか言いようがないわねえ、全くの無害からこの大陸から人類が駆逐されるまで可能性はいくらでもあるし。ただ本気でこの大陸を征服しようと思ってるならハイミル教団とそこの聖女は気にするだろうし、でも肝心の聖女1人と聖女候補1人を殺した謎の存在は無視しないんじゃない?」


「その情報はもうアプリコットのところにも届いているんだ」


「そこの雑誌に書いてあったわ、新聞にもね」


「ただどの雑誌にも新聞にもここの場所は掲載されてなかったからわからないんじゃない?


よく見ると雑誌とか新聞もある。

テレポートでちょくちょく町に行っているから知っているのも当然か。


「私の死亡記事に対しては本当はちゃんと生きてるわよってツッコミを入れながら読んでるわ」


「私が雇って送った傭兵団長カキンがここの捕虜にもなってなくて、どの新聞にも雑誌にも名前が出てきてないのはちょっと不審に思ったけどね」


聖女アプリコットは私費で傭兵団を雇ってここに偵察部隊を送った、その傭兵団長がカキンという人物らしいが捕虜にもなってなければ新聞にも雑誌にも出てこないという。

帰る途中でモンスターに襲われたか、それとも無事に帰ったけど大衆向けには報道を制限されてるか。


かつて報道の自由をうたっていた国があったがその国が戦争することになったらあらゆる軍事機密が報道の自由の名の元に公開されて敵国の士官はどの場所にどれだけの兵士が配置されているとか、何月何日にここにこういう作戦で突撃するみたいなことまで市販の新聞や雑誌を手に入れて読めばそれでわかった、ということがあった。


結局これじゃ戦えたもんじゃないということでここも戦争の途中で報道が制限された。

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