sweet13
「…あぁぁぁぁぁ!
やってしまったぁ!!
藤堂康平一生の不覚!」
あれじゃあかなに
告白したようなものじゃないか!
かなにはもっと
相応しい場所で
いい雰囲気の中告白
するつもりだったのに!
俺の17年間の苦労が
水の泡だぁぁぁぁ!
康平が1人屋上で
悩んでいることなど
知らない私は教室で
放心状態だった
「かなちゃぁん
元気だしてよぉ
大丈夫だよぉ!
りなはかなちゃんの
じょおうさまみたいなとこ
だぁーいすきだから」
「里奈…それは
誉めてるの……?」
しかし康平は
言い過ぎだろう
私の顔が綺麗なら
周りが不釣り合い
とは思わないはずだ
やっぱり康平の意見は
昔から一緒だから
欲目のようなものだろう
「ふぅ…
頭がごちゃごちゃだ…
少し外で頭冷やして
くるわ…………」
「だぁいじょぶ?
里奈もいこぉか?」
「大丈夫だよ」
私はふらつく頭を
抑えて教室を出た
「少し…保健室で
休もう………」
保健室に向かって
いると前から
先生がやってきた
「うげぇ…」
「えっ…ちょひど…
うげぇはないだろ…」
「どないしたん亮にぃ?」
「あぁ斗羽
なにもないよ」
斗羽!?
亮にぃ!?
どうゆうこと!?
「えっと…
じゃあ私もう
行きますから…」
「えっ…
ちょっ待てよ!」
パンッ!
「離せっ…!
気安く触んな!」
私は先生の手を
振り払って
走り去った
「くそっ…!
斗羽ごめん!」
「あっ…
亮にぃ…
………………
なんやあれ?
せっかく亮にぃと
2人やったのに…」
ガララッ!
私は保健室に
駆け込んだ
「はぁ…はぁ…
先生っ…
少し休ますて下さい」
「あら?
いいけど先生いまから
ちょっと用事が
あるからここ
空けるわよ?」
「分かりました
大丈夫です」
私はもぞもぞと
着ていた制服の
タイを外して
消毒液の匂いの
する布団へ
もぐり込んだ
ふぅ…
なんでさっきは
あんなにイラついたんだ?
だだ北條さんが
アイツと親しそうに
しているのを
見ただけなのに…
北條さんがアイツを
亮にぃって呼んだ
瞬間お腹の中が
真っ黒になった
ような気がして…
…………
まぁなんでもいいか
いまは休もう…
sweet13END