sweet11
……………ガラガラー
「失礼しましたっ!」
……………ふぅ
あぁぁぁぁ!
やってしまった………
なんだあのセクハラ教師…
せっかく関わらないで
おこうと思っていたのに…!
しかもいやじゃなかったんだろ
とか意味の分からない事まで
いいやがって!
私は舌打ちをしながら
教室に戻った
「かなっ!
大丈夫だった!?」
康平が私に
走りよってきた
「だぃじょぶだったよ
なんか体育の補習のことだったし」
「あぁそうなんだ…
良かった…」
そう言った康平の顔が
本当に安心していて
私はなんだか
笑ってしまった
「心配しすぎだよ!」
「そっかな…?
でもなにもされなかったんだ!
良かったぁ」
「えっ………
なにも…………」
私は先生に抱きしめられた
ことを思い出して
体中の体温が急上昇した
「かな………?
まさかまたアイツに
なにかされたのか!?」
「ちっ違うよっ!
なんでもないからっ!」
私はなおも話しかけてくる
康平を振り払い
屋上に向かった
…………………ガチャ
屋上は私のお気に入りの場所だ
みんなは風が強いからと
あまり近づかないので
ほとんど貸切状態だ
……………………〜♪
〜♪ラーラー………………
……………?
「歌……………?」
私は声の聞こえる方へと
向かった
……………わぁっ!
綺麗……………………
そこにいたのは
少し力を入れると
手折れてしまいそうな
白く細いからだに
腰まで伸びた
ウェーブがかった
ブラウンの髪に
金色と茶色を混ぜたような
小麦畑色の瞳をした
女の子だった
……………えっと
あの子はたしか……
転校生の………………
北條斗羽さん……?
「誰かいてるん?」
…………ヤベッ!
「あはは…
綺麗な声だなって思って……」
「自分はA組の……
一ノ瀬さんやったかな?」
「そうですー…
でも私の名前………」
「なんで名前知ってんのかって?
そりゃあ自分有名人やん」
「えっ……!?」
「知らんのか?
学年一番藤堂君と
橘さんをはべらしとる
女帝一ノ瀬奏ゆーたら
この学校で知らんやつ
いてへんで」
北條さんはやれやれと
いった感じで爆弾発言をした
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