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そして、僕は、ついに、そのプラモデルの本体を完成させた。
その言葉通りで、完成したのは、本体のみ。
その時、ある事実が発覚した。
その本体には、頭部が二つ、あったのだ。
そして、僕が、修復したのは、優しい顔をしていた頭部だった。
僕は、その方を、もう、これ以上、何かによって、ケガサレナイように大事に、しまうと、キツイ貌をしている頭部を、しっかりと本体に差し込み、
まずもって、完成された、その人型のプラモデルを自分の机の上に置き、それに向かって呟いた。
「今年ね、東京に行ったんだ。本当に、また、いつか行きたい、と思った。
そして、大阪にも行ったんだ。そっちも本当に、また、行きたいと思ったんだ。
僕は、それらを実現させるために頑張らなくてはならない。それは、もちろん、自分自身の為だよ。誰にも言わないでな!」と。
そして、僕は自分の部屋を出た。
【おしまい】