初めての冒険者ギルド
必要の無くなったフードは外して門番さん─お名前はマルクスさんだそうです─と話しながら歩きながら町を見渡すと全体的に木材と石材を組み合わせた造りの家が多い。
あ、八百屋さんのおじさんと目があった…と思ったら目をそらされた。
あ、どこかへ走り去っていった。
…なんだったんだ?
「そういえば嬢ちゃんは自分の職業ってわかってるのか?」
唐突なマルクスさんの質問にキョトンとしてしまう。顔もきっと間の抜けた顔をしてしまっている。
ただ、職業の意味はわかる。国に認められたギルドの所有する『天職紙』という紙に魔力を流すといくつかの自分あった職業名が焼き付く。それの中から一つ好きな職業を選んで儀式とやらをすると職業が確定するらしい。それが職業についてだ。ここは珍しくちゃんと母さんが忘れず教えておいてくれてた。
「自分の職業を見たことはないです。ギルドで確認できると母に聞いているので楽しみです!」
笑顔で答えるとマルクスさんはにかっと笑った。そして私の頭をわしゃわしゃ撫でた。マルクスさんの私への扱いがどうも自分の娘とかにする行動なんだよね。なんだ、私はすごい子供に見えるのか?一応14歳なんだけど…まあいいや
「お、ここが冒険者ギルドだぞ。一応登録するかしないかは自分で決めてくれよな。何かあったときに後悔しないで欲しいから。
ちなみにこの町には商業ギルド、漁業ギルドこの町に無いのだと錬金ギルド、魔導具ギルド、鍛冶ギルドなど色々ある。」
「丁寧にありがとうございます。」
解放された両開きの扉から中へ入ると賑やかな声が聞こえていたのが一瞬シンと静かになる。
「うぇ!?な、なに?」
「んぐっ…げほっ、ごほっ」
横からマルクスさんのむせている音が聞こえる。もしかしなくてもこの人沸点がかなり低いのではないだろうか。
「ほ、本日はどのような御用でしょうかマルクス様。」
あ、見かねた受付嬢さんがこっちまで来てくれた。
「げほっげほっ…あー笑いすぎた。おう、今日はこの嬢ちゃんが身分証を持ってないからいくつかギルドを回るから門番として付き添いしてんだ。」
「えっ…!?この子身分証無いのですか!?」
だんまりしちゃってた回りの冒険者達も少しざわつく。やっぱり持ってないのはいけなかったんだね…
「あのアイルさんの娘らしいぞ」
「あ、アイルさんの!?…た、確かに髪の色が似てますね」
私の話題のはずなのだが若干自分が空気になっている感じがしないでもない。そしてなかなか話が進まない。
「あの、職業を見るのをとりあえずギルド会員登録のまえにしたいのですがいいですか?」
声を発すると受付嬢さんがはっとしたような顔になって、準備するので個室へ連れていってくれた。ちなみにマルクスさんもうっかりしてたみたいな顔をしてた。
やっと自分の適正職業がわかると思うとワクワクした。げーまーな女の子もワクワクしてるみたいですごくテンションが上がった。
読んでいただきありがとうございます(/--)/
なかなか話が進まなくて申し訳ありません。




