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バック一つの商人さん  作者: 相川ソウヤ
流れ星の旅立ち
3/16

いざ町の中へ…?

森は案外広かったらしい。森の外に出るのに少し時間がかかりました。下草の余り生えていない森でよかった。もし生えていたらもっと時間がかかっていた気がする。


町を一周する魔物よけの石壁にもたれかかりながらふと、そういえばお腹すいたなと気づく。あまりここには人がいないから、ここでバッグに入れてきた白パンでも食べよう。


バッグを開けると先程と同じく半透明なパネルが出てくる。パネルにスクロールしろー、と念じて簡易イラストの白パンを探しているととある簡易イラストが気になった。そこを注視してみるとそれの品名が視えるようになる。


“冒険のすすめそのいち!─冒険者ギルドについて─ 愛しいすぴちゃんのママ アイル著”


母さんんんんん!!??なにこれいつ用意したの!?しかもかなりの巻数が入ってるし!


丁寧にギルド別に詳しく書いてあるらしい。他にも各地の生物や魔法についてなどとかなり細かく、たくさんのジャンルが揃えてあるようだ。


「料理の本とかも入ってるし…とりあえず冒険者ギルドについてを白パン食べながら読んでみるか…」


─三十分後─


細かっ!何で母さんこんな各地ギルドの受付嬢さんの諸事情まで知ってるの!?よくよく考えてみれば冒険者ギルドだけでよく一万ページも書けたなぁ!?読みきれないよ!?半分も読めなかったよ!?


なんだかさっきから精神的疲労が半端ない…。とりあえず冒険者ギルドの仕組みは詳しいほど理解できました。もう色々諦めがついたのでこの本にしたがいながらギルド登録をしよう。一番間違いが少なくすむはずである。


よいしょと立ち上がって町の中に入るために石壁の一部が門になっているところへ歩く。


「止まれ!フードをはずして顔を見せろ。そして、身分証の提示を!」


門番らしき怖い顔をした若い男性に止められてしまった…ん?身分証トハ何デショウ?


「す、すみません。身分証がない場合どうしたらいいでしょうか…?」


「えっ!?無いの。ど、どうしよう。先輩のマニュアルには書いてなかったんだけど…」


怖そうな表情が一気に消え失せおろおろとした普通の人の顔が覗く。ただ、お兄さん、小声で言ったつもりかもしれませんが聞こえてますよ…?実は気弱な人なのかな?


「ちょっと待っててください!!」


ひゅーんと音がつきそうなくらいの素早さでお兄さんは詰め所に入っていってしまった。ふと魔法鞄の中身を見てみる。すると、さっきの本シリーズの辺りに『色々な国や地方の規則、法律-沢山の場所をめぐる旅の仕方、身分証- 美人魔法使いアイル著』が入っていた……んん?





あったぁぁぁあぁあぁぁ!!!???





失礼しました。町への入るときに必要なことが書いてありそうものがあったので驚いてしまいました。よし、門番さんが帰ってくるまえに探してしまおう。


数秒後目次を見て身分証に関してを見つけ、そのページを開き内容を見たとき私はうなだれることになった。

読んでいただきありがとうございます。


町にはまだはいれませんでした(´・ω・`)

次か次ではいれるようスピカには頑張ってもらいます。

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