はじまり
はじめての作品で、色々拙いかもしれませんがどうぞよろしくお願いします。
主人公達は平和主義なので戦闘はあまり無いですが一応R15にしてある(はず)です。
不定期投稿よろしくお願いします。
ひっそりとした森の奥の小屋がありその中に珍しい薄紅藤色のメッシュの入った至極色の髪と深縹色の眼をした少女がいた。
薄紅藤色の混じった濡れ羽色の髪と天色の眼をした明るくて美しい付与術師の母が病で死んだ。
父親のわからない私の唯一の親。付与術師という世間一般からはたいした職業じゃないといわれているけど私はそうは思わない。だって貴族や大商人が大金をはたいて買う魔法鞄等の魔導具、魔道具の類いはすべて付与術師が供給しているのだ。
母の寝ていたベッドを片付けていると枕の裏に見覚えのない肩掛け鞄と封筒がおいてあった。封筒には母の字で“私の可愛い妖精さんへ”と書いてあった。母は時々ふざけて私を妖精さんと呼んでいた。父親の容姿がまるで妖精のようで、それを色濃く受け継いでいる私も妖精のようだからだそうだ。封をそっと切ると
“可愛い妖精のスピカへ
最後まであなたを守れず、お父さんに会わせてあげることもできなくてごめんね。
この先私には必要ないものはすぴちゃんに全部あげます。というかまとめておきました!!
この手紙を読んでいるってことは肩掛け鞄も見つけてるはず。肩掛け鞄は私の最後で最高の作品だよ!
なんとすぴちゃんとすぴちゃんの許可した人専用で他の人には使えなくて時間経過のない容量無限で検索機能付きバッグです!
さっき言った私の使っていた杖とかを既にいれてあるから是非使ってね!
最後にあなたのお父さんについてもメモにまとめてバッグにしまってあります。こっそり見てね。
それじゃあ頑張って!私の可愛い可愛いスピカ!
あなたを愛する
アイル・ビー・フローラより”
なんとも母らしい手紙である。
「なんかこの鞄爆弾が大量に詰め込まれている気がする。」
別に火薬でできた爆弾のことではなく後々何か問題になりそうなものという意味だ。
「とりあえず母さんも所属してたギルドに登録しようかな。荷物の確認はあとでいいかしら…」
今までこの森より外に出たことはない。理由は母が何かを心配していたからだ。勿論心配される理由は大体わかっている。
私が転生者だからだろう。とはいっても元は日本だったかって国にいた烏である。ハシボソガラス…。今現在の記憶や知力は神様っていう人ににもらったとあるげーまー?の女の子の一生分の記憶と母の教育の賜物である。
自分の今着ている服以外は例の肩掛け鞄にぽいぽい詰め込む。そしてふと気付く。
「要領無限の私専用…ということはこの家も入る?」
小屋からでて鞄の口をぐにぃーと引っ張りながら小屋の壁に押し当てる。しゅんという音と共に小屋は消えた。少し不安になって中を見ようと思いながら鞄を開くと目の前に半透明のパネルが浮かび上がる。
うわ本当にRPG系ゲームみたい!と私の中のゲーマーな女の子の記憶が叫ぶ。
パネルには中に入っているものが簡易イラストで規則正しく並べてあってとても見やすい。どんな形状かどうかもすぐわかるっていいね。小屋は一番上の左端にあった。
よかったよかった。
確か母は町にいくときフードを被って顔を隠すと良いっていっていたからそれにならおう。鞄の中から母の使っていたフード付きのローブを着ていざ出発!
読んでいただきありがとうございます。




