おはよう ★
凄く心地よい眠りに沈んでいた。しかし、何か起きなきゃ…あ、もしかして彼女の人格を器に移す段階で気絶した?
彼女は消えてしまった…?
頭の中に、確かに彼女の記憶は残っている。だけど、あくまでそれは記録化された物で彼女の人格が見当たらない…。
「んうっ…」
慌てて目を開けるとそこは狭めのドームだった。黒い煙のような物でできていて時々チカチカと瞬く光が見える。まるで小さな星空…何て言うんだっけ?そうだ、プラネタリウムだ。彼女の記憶から一番近い例えを見つける。
『スピカたん起きたぁ!!』
ぼひゅう!と音をたてて、その黒い靄を突き抜けて限りなく白に近いベージュ色の『なにか』が飛び込んでくる。
それは私が創造しようとした器そのものだった。
「う、うまく出来たの?」
『何言ってるの!完璧よ!ほらほらぁ?どう?可愛い?毛並みも良さげじゃね?』
「うん?良いと思うよ!」
『とーっても体が出来て嬉しいの!でも、倒れるなんて思わなかった…。絶対次は無茶しないでね?折角直接お話出来るようになるのかと思ったのに、あなたが居なくなっちゃうかもって不安だったんだから!』
「ご、ごめんね!」
私の中に居た頃には明確には分からなかった声で彼女は話しかけてきた。それが、とても嬉しい。うん、次は限界を考えた上でスキルを使おう!
『…そうだ。ねぇねぇ私のステータス色々確認必要なんだけどもちょっと確認してくれない…?』
「え、何かあったの!?」
『この空間も、そのキラキラしたスピカの座ってるやつも全部私のスキルなの…』
全然気付かなかったけど私とても綺麗なクッション?に座ってる!
っと!脱線してしまった。彼女のステータスの確認しなくては。
内容を見えるよう解除したカードの裏に新しく現れていた『カレン』という項目を含んだステータスを開く。
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名前:スピカ・ビー・フローラ
種族:ヒト族 召喚師Lv. 1
体力:20(5/20)
魔力:65(0/65)
俊敏:24
創造:31
運:277
魔術:光 水 風
スキル:『従魔創造』
『従魔回復』『従順』『声援』『経験値共有』『狂化』
ユニーク:『幸せの箱』『友好率上昇(超)』
勲章:『忘れ形見』
所属:冒険者ギルド 商業ギルド
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名前:カレン
種族:合成獣族 Lv.1
体力:10
魔力:350(340/350)
俊敏:20
創造:100
運:100
魔術:光 闇 時
スキル:『安寧の揺りかご』『光結界』『闇結界』『遠視』『影の覆い』『遮音結界』
ユニーク:『ホログラム』『亜空間創造』『-----』
勲章:『世界を渡りし者』
所属:スピカの召喚獣
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お、おう。これが所謂ちーととやらですか。凄いね、魔力が半端ない量あるね!
私のステータスが魔力残数0の体力残数5になっているということは、もしかしてスキルを使うのに必要な魔力が足りなくて体力で補ったって感じかな…?
でもスキルって本来は発動できることを基準に取得するはずだから、きっとこの状況は私がごり押ししたせいなんだろうな。
自業自得とはいえ体力が0になると最悪死んじゃうらしいから気を付けなくては。
しかしそう考えると結構危なかったな…!本当に注意が必要だな。
私が考え込んでいると、
『ね~?やばいっしょ?
しかもスピカが寝てる間に色々試してたら気配を完全に消す『影の覆い』っていうスキルと、外と中の音を完全に分ける『遮音結界』っていうスキルが増えた。』
と、彼女が猫顔ながら真顔で声をかけてきた。
「なんか色々凄いのは認める。そう言えば、あなたカレンっていうのね!これからよろしくねカレン!」
『あれ?言ってなかったか…?うん!よろしくスピカ!』
その後カレンの
『闇結界』
『影の覆い』
『遮音結界』
という隠密スキルを三重にかけた中でバッグを探っていたら体力回復用の木の実と魔力回復用のジュースがあったので、二人で仲良く頂きました。
しかしなんで木の実とジュース、両方とも2000個以上もあったんだろう…?




