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海探索
上も下も分からなくなりそうな暗いコバルト色ばかりである。重力に任せて下に落ちていく。下とは何であるか?海が問いかけてくる。下とは何であるか?ここにはそんな概念は存在しないぞ?ただ無の空間が空虚に広がるのみ。お前はこの孤独な空間で死ぬしかないのだ。私は海に答える。いや、終わりは存在する。完全な無がこの世には存在しないように、この海にも終わりがある。それにたどり着くまでに永遠のような時間がかかろうとも、私は落ちていくつもりだ。そしてお前にそれを止める術はない。今度は海が答える。お前はまだ分かっていないようだな。それは永遠などの生易しい問題ではない。それを超越している。まだ気づいていないのか。ここで死ぬほうが何倍も幸せということを。私はもう海の話を聞いていなかった。海が少しずつ暗度を増していくのを感じながら、私は少しずつ自分を失っていく。この感覚だ。私が求めるのはこの感覚だ。だが、まだ生易しい。