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新世紀の殉教者

墓碑銘は救いに満ちたあの空に似ていた

作者: keisei1

 荒れ地にも 零れ落ちる 恵みの雫に

 枯れ果てた 花に似た 僕は潤されて


 鉄塊の ビルの群れが 崩れ落ちて

 何ごとも ないように 砂になる


 残された 僕らの命 捧げて

 錆びかけた あのの指先に 

 ほとばしる光の 力を宿して


 すべてを 別たず つなぎとめていく 空のように

 この星を 駆け抜ける その魂の巡りあいよ


 すべてが 守護され 離れることのない 空のように

 僕らは 走り抜け いつか朽ちていく 墓標を見る


 あぁ そこに刻まれた 墓碑銘エピタフ

 許しと救いに満ちた あの空に似ていた ずっと



 文明が 置き去りにした 原初の愛に

 折れかけた 枝葉に似た 僕は拾われて


 テクノロジーの 行く果ての 喪失感は

 人類の 斜陽に訪れ 泣いている


 残された 僕らの時間 掲げて 

 壊れかけた あのの首筋に

 瞬く光の 力を授けて


 すべてを 離さず 抱きしめていく 空のように

 この星を 疾駆する その魂の邂逅かいこう


 すべてが 守られ 崩れることなき 空のように

 僕らは 振り向かず いつかたどり着く 墓標を見る


 あぁ そこに打ち込まれた 墓碑銘エピタフ

 晴れやかな笑顔を見せる その空に似ていた ずっと



 昨日届いた手紙は 昔親しかった知人の 訃報を知らせるものだった

 僕らに許されているのは せめて地球を傷つけずに 抱き合うことだけじゃないのか

 彼の墓碑銘エピタフが 救いに満ちたあの空に似ていたのは 前にも言った通りだ

 僕の親しき人よ どうかその笑い声と 開かれた心と魂のまま 地球の果てへ

 

 砂と泥の中へ沈みゆけ



 すべてを 結びつけ 口づけをする 空のように

 この星を 走りゆく その魂の巡りあいよ


 すべてが 傷つかず 許るぎない 空のように

 僕らは 手を伸ばし きっと見つけ出す 墓標を見る


 あぁ そこに刻まれた 墓碑銘エピタフ

 泣きはらして 赤い目こする あの空に似ていた ずっと




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