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第47話 ビット、話の腰を折る

 小人族の長、大叔父様のジューが語り出そうとしたその時。


「大叔父様ー。ただ今戻りましたー。」


 乱入する者有り。


「ビットじゃねえか!」


「おう!久し振りだな、ホビイ。」


 クライス達と別れて、義理堅く2日待ってからコボルへと帰って来たビット。

 早速報告する。


「大叔父様、モッタは平和になりました。以上!」


「以上!じゃねえよ。これから大事な話があるってのに。」


 話の腰を折られて、困った顔のジュー。

『あら、やっちまった?』と言う顔のビット。

『うん?』とエミルを見つけるなり、驚きの声を上げる。


「おいおい、妖精さんかい?珍しいねえ。」


 ペコリと頭を下げるエミル。

 それで思い出す。


「そうそう、変な奴等が居ましたよ。それで広場がピカーッて光って……。」


「落ち着いて話しとくれ。」


 冷静にビットへ問い掛けるジュー。


「とにかく。その珍しい人間達が、モッタのごたごたを解決しちゃったんです。」


 ん?

 心当たりの有るエミル。


「それで、《これを大叔父様に渡せば全て分かる》って言うんですよ。」


 ビットがブツを探す。

 ここでも無い、そこでも無い……あ、有った!

 そう言って取り出したのは。

 一辺10センチ程の金の立方体だった。

 おずおずと差し出すビット。

 ジューがそれを受け取ると、立方体が変形し始める。

 慌てて床に置くと、それは人間の肩から頭に掛けての形へと膨れ上がった。


「『初めまして』で宜しいですか?」


「しゃ、喋った!」


 ホビイとビットが驚く。

 エミルは別の意味で驚く。


「クライス!」


 エミルの声に反応する。


「お、エミル。そろそろ到着してる頃だと思った。」


 完全にクライスの声。

 エミルも知らなかった。

 こんな事が出来るなんて。


「クライス・G・ベルナルドと申します。本当は手紙だけの予定だったのですが、魔力に当てが出来まして。こうして直接話し掛けている次第です。」


「ほう……。君があの……。」


 ジューは、エフィリアから不思議な人間の事を聞かされていた。

 何でも金のみ生み出せるとか。


「ご存じなら話は早い。エミル、何か掴めたかい?」


「勿論さ。ただ、大叔父さんが全部話してくれるみたいだけどね……。」


 自分の苦労が水の泡になった様な気がして、残念がる。


「いや、そこに居てくれるだけで嬉しいよ。ありがとう。」


 クライスにねぎらいの言葉を掛けられ、照れるエミル。

 そうか、これが自慢の……。

 納得するホビイ。


「ではこちらから申し上げます。問題は後、《メインダリーのみ》となりました。これから対処する予定です。」


「なるほど、確かに全て理解した。『我らが望んだ状況が全て揃った』と言う事じゃな。」


「どう言う事です?」


 ビットはこれを持ち歩きながら、ずっと考えていた。

 どうしてこれで全て分かるんだろう?

 早く疑問を晴らしたかった。


「簡単に言うと、『英雄が動いて何とかしてしまった』じゃ。」


 敵の動きを探っている内に、いつの間にか解決してしまった。

 それも円満に。

 クライスは続ける。


「ヘルメシア帝国12貴族の中で、スラード家とイレイズ家を問題の根源として退治しました。今は元の領主が治めており、こちらの味方となっています。」


 そしてこう言った。




「黒幕にはまだ遠いですが、尻尾は掴みつつあります。」




「これは結構な情報を。補足、感謝しますぞ。」


 ジューは満足気に頷く。

『クライスなら当然』と言う顔のエミル。

 と同時に、早くジューの話を聞きたくなった。

 ワクワクするエミル。

 それを感じ取ったのか、仕切り直しとしてジューはまず告げる。


「クライス殿。君はこの話を聞く《義務》があります。心して聞かれます様。」


 大叔父様が人間に対して、ここまで敬意を表する態度を見せるとは。

 何者なんだ……?

 そう思うホビイとビットを置き去りにして。

 今度こそ語り始めた。

 この様になった経緯いきさつを。

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