同正と囚
純不良 囚
chap.3
AM9:00
その人物とは囚だった。
こいつは中学からの親友で不良仲間である。
金髪の髪に整った顔立ち。かっこいいというよりかわいいといった感じの少年。ただし、凶悪な目つきがそれを台無しにしている。大型の爪を持つ動物に引き裂かれたような白いシャツに色素が抜け落ちているダメージジーンズを履いている。右腕には純金(?) 、左腕には漆塗りの十字架をあしらったブレスレットをつけている。
「よお、青春しているか準不良」
しているわけないだろ純不良。
いきなりボディタックルをくらい、地面にたたきつけられたのだ。肺が圧迫されていて息苦しい。
まあ、いつものことで慣れてはいるのだけれど・・・・・・。
「あいかわらず固い顔してるなぁ。ほれ笑ってみ、スマイルスマイル」
いつもへらへらしてるお前に言われたくはない。
「あーあ、せっかくボケかましてんだから少しはツッコメ、ノリツッコミで。なんで母親はバリバリ大阪人なのにお前は仏頂面なんだよ」
なんでやねん。心の中でつっこんだ。
「ところで何してんだお前」
それはこっちの台詞だ。なんでいつまで乗ってるんだ。
「ああ悪い悪い、面白かったからな」
そう言って囚は立ち上がった。身軽なやつだ。僕も立ち上がった。
まったく全身筋肉痛なのに容赦ない。あえて口には出さなかった。
「そういや、何で昨日急にいなくなったんだよ」
いや、それもこっちの台詞だ。朝起きたらいなくなっていたのはお前の方だろ。
「街中大騒ぎだったぜ」
そんなことは知っている。
「あんな事件が起こるとは、人生まだまだ捨てたもんじゃねーな」
犯人はお前か。
「いやいや俺にはアリバイがあるだろ、いっしょに酒飲んだじゃねーか」
飲ませたの間違いだろ。そのせいで昨日は二日酔いだったのだ。
「酒の味も知らずに人生は語れないぜ、ベイビー」
だまれベビーフェイス
そんなやり取りが1時間ほど続いた。