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第5話「調略」

 天文19年9月、勢いに乗った晴信は村上義清の支城である砥石城を攻めた。しかし、城兵の果敢な反撃の前に晴信は苦戦。さらにそこに葛尾城から村上義清自らが援軍として到着。挟撃された武田軍は多くの死傷者を出してしまう。なんとか撤退した晴信だったが、この戦いで横田高松(よこたたかとし)小沢式部(おざわしきぶ)渡辺雲州(わたなべうんしゅう)らが討ち死に。再び多くの貴重な家臣を失ってしまった。



 天文20年、甲斐国・躑躅ヶ崎館。


「またしても義清にしてやられた!こうなったら調略で切り崩していくしかないな‥‥。」


「調略ならこの真田幸隆(さなだゆきたか)におまかせあれ。たったの1日で砥石城を陥としてご覧に入れましょう!」


 真田幸隆は、信濃国の小豪族・真田頼昌(さなだよりまさ)の子で、天文12年に武田家に帰属。のちに大坂の陣で活躍する真田幸村(さなだゆきむら)の祖父にあたる。


「信濃には真田の縁者が多いと聞く。確かにそなたがうってつけじゃな。よし、ではそなたに全てまかせよう。」


「ハハッ!」


 このとき、晴信は外様である真田のことをあまり信用していなかった。しかし、幸隆はなかなかの切れ者と聞いている。一か八か、彼に懸けることにした。




「1日はさすがにちょっと言い過ぎたか‥‥。」


 調略は得意だ。絶対の自信を持っている。しかし、さすがに1日はキツい。今更ながら幸隆は少し後悔していた。


 幸隆には野望がある。それは真田の家を大きくすること。いずれ、真田の名を天下に轟かせたいと思っている。砥石城を陥とせば御屋形様に認められて、出世街道まっしぐら。これは野望成就のための大事な一歩だ。失敗は許されない。


(よし、まずは枡形城からだ‥‥。)


 幸隆は愛馬にまたがると、枡形城に向かって駆けていった。




「真田よ、実に見事な働きであった。砥石城はそなたに与える。」


「ハハッ!ありがたき幸せ!」


 幸隆は宣言通り見事1日で砥石城を陥としてみせた。

 これをきっかけに幸隆は晴信に気に入られ、瞬く間に出世。外様衆でありながら譜代家臣と同等の待遇を受けるまでになる。


 戦国時代。主家をコロコロと変えるのは大国に挟まれた小豪族の宿命であった。しかし、幸隆はもはや立派な武田家の重臣の一人。もうそのような生き方をする必要はない。


(フッ、ようやく武士らしく生きることができるわ‥‥。)


 晴信に一生ついて行こう。幸隆はそう心に誓った。

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