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第4話「甲斐の虎、復活!」

 上田原の戦いでは板垣信方、甘利虎泰ら多くの重臣を失い、また晴信自身も深い傷を負ってしまった。晴信にとって初めての敗北であった。二十日喪に服した後、晴信は甲斐・躑躅ヶ崎館に帰還した。


「父上、ご加減はいかがでございますか?」


「おお、太郎か。うむ、まだ傷は痛むが大分良くなってきた。」


 合戦での傷がいまだ癒えぬ晴信のもとに嫡男・太郎が見舞いに来た。


「しかし、父上が傷を負われるとは。村上はやはり手強いのですか?」


「うむ、まあな。だが此度の敗戦はわしの慢心のせいじゃ。よいか、この無様な父の姿、しかと目に焼き付けておけ!」


 晴信は力強く言った。太郎には自分と同じ過ちをおかしてほしくない。


「わかりました。しかと目に焼き付けまする!」


 ハッキリとした返事。真剣な表情。近頃四郎ばかり見ていて気づかなかったが、もう太郎も立派な一人の男に成長していたのだ。


(フッ、息子の成長はやはり嬉しいものだな。)


 晴信は息子の立派な姿を見て、元気が湧いてきた気がした。




 4月。小笠原長時(おがさわらながとき)が諏訪に侵攻してきた。


「村上に大敗した武田など恐るるに足らず!一気に討ち滅ぼしてくれるわ!」


 長時は、上田原で大敗を喫した武田軍にかつての面影はないと判断、勝利を確信していた。しかしこの油断が命取りとなった。


「長時に、武田騎馬隊の力を存分に見せてやれ!突撃!」


 晴信は騎馬隊を使い、小笠原本陣に夜襲を仕掛けた。瞬く間に小笠原軍は壊滅、長時はなんとか命からがら林城に逃げ込んだ。


「強い!強すぎる!武田は弱体化などしておらぬ。むしろより強くなっているではないか‥‥!」


 長時は、安易な考えで武田を攻めたことを後悔した。


 天文19年7月、晴信は小笠原領に侵攻。もはや長時には抵抗する力は残されておらず、林城を放棄して村上義清のもとへ逃走した。


「爺が上田原でわしの目を覚ましてくれなかったら武田は滅んでいた。感謝するぞ、爺。わしは信濃をなんとしても手に入れてみせるからな‥‥。」


 晴信は青い空に向かって呟いた。上田原の敗戦から2年、武田は見事完全復活を果たしたのだった。

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