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第21話「信長上洛」

 永禄11年、京の町にとある軍勢が姿を現した。なびく軍旗には木瓜紋。統率のとれたその軍を率いているのは黒い西洋風の甲冑に身を包んだ男であった。

 彼の名は織田信長。信長はもともと尾張の小大名にすぎなかったが、永禄3年の桶狭間の戦いで名門・今川氏を破って以降勢力を急激に拡大。そして美濃の斎藤、近江の六角を破り、今ついに入京を果たした。

 入京した信長は早速朝廷に赴き、時の天皇・正親町(おおぎまち)帝に拝謁した。


「織田尾張守信長にございまする。帝をお護りするため、6万の軍勢を引きつれ上洛いたしました。」


 信長は頭を下げ、流暢に挨拶をする。その姿は凛々しく、とても尾張の小大名には見えない。


「うむ、大儀である。朕はそちのことを誰よりも頼りにしておるぞ。」


 正親町帝はその頼もしい信長の姿に安心したのか、朗らかな笑顔を見せた。

 その後、信長は朝廷に金品などを謙譲した。当時財政に苦しんでいた朝廷にとって、これほどありがたいものはなかった。





 一方、信長とともに上洛を果たした足利義昭(あしかがよしあき)は征夷大将軍に任ぜられ、室町幕府15代将軍となった。

 室町幕府は延元3年/暦応元年に足利尊氏(あしかがたかうじ)によって建てられ、3代将軍・足利義満(あしかがよしみつ)のときに最盛期を迎えた。だがしかし、応仁元年に8代将軍・足利義政(あしかがよしまさ)の後継者争いである応仁の乱が勃発し、世は戦国時代に突入。次第に権威を失っていき、最終的には周囲の戦国大名に道具のようにいいように利用されるだけのものと化していた。

 しかし今、義昭が将軍となったことでついに室町幕府は本来の姿を取り戻した。


「信長よ、お主のおかげで幕府再興が果たされた。余はお主に何か礼をしたい。どうじゃ、何か望みはないか?好きな褒美をくれてやる。」


「特になにも望みませぬ。」


 信長の後ろ盾があればこそ、幕府再興はなった。義昭にとって信長は恩人である。なんとしてでも礼をしたかったのだが、信長はそれを断った。

 そこで義昭は信長に管領代・副将軍の地位を勧めた。本来、尾張の田舎大名に過ぎなかった織田家が就けるはずのない地位である。しかし、信長はその申し出にも首を縦には振らなかった。

 結局信長は義昭から特にこれといった褒美をもらわず、本拠地・岐阜へと帰国した。





 財政に苦しむ朝廷を助け、権威を失った室町幕府を再興させた男・織田信長。だが彼にはある野望があった。心に秘めているその野望を正親町帝も足利義昭もまだ知らない。

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