表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポズウェル兄弟の日常と非日常  作者: 佐伯亮平
22/42

22





 廊下の窓から見ると、朝方とは違い、霧はだいぶ晴れていた。

「こちらは収納室になります」

「収納室ですか」

 僕は言った。

「ええ。作成されてからかなりの年月が経ったものをここに仕舞っております。日光に弱い物もありますので」

 扉を開けると少し埃が舞う。中には大小さまざまの剥製が置かれてあるが、一番多いのは狼だ。今にも襲いかかってきそうな出来だ。

「やはり狼ですか」

「そうですね。代々の城主が頻繁に狩りに出たそうですから」

「なるほど」

 僕がそう言って辺りを見回すと、剥製の奥に布が掛けられたケースが見えた。

「あれは何ですか?」

「はい。球体関節人形が収められているのですが、何分にも年代物なので状態がひどく、あまり見目のいい物ではありませんので、あのようにしているのです」

「そうですか……」

「……ええ。あの人形は、先々代の城主が腕のいい人形師に造らせた物ということもあり、処分できないとのことだそうです」

「古い物、なのですね」

「はい」

「人に見せることのできない代物なのかもしれませんが、骨董的価値はありそうですね。たとえば、熱心な蒐集家に買い手が付きそうな……」

 僕は従僕を見た。彼はケースを見ながら「そうかもしれません」と答えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ