我が最初の友人
今日は珍しく目覚ましではなく自力で起きた。
「…ん~、今日は日が照ってるなぁ。」
時計を見ると三時五分位で機能停止していた。
「……へ?!」
携帯の時計を確認
8:45をデジタル時計が示していた。
「なーーー!!!!」
とりあえずさっさと着替えを済まし、弥美を叩き起こし、全速力で学校に向かった。昼食用の財布を持参して。
「りゅ、リュウ、引っ張らないでよ!」
「そうでもしないと間に合わないだろう?」
「痛いのよ!」
…じゃ、仕方ないか。
そう思い、とりあえず弥美の前で止まる。
「フエ?!」
減速できずに弥美がぶつかる。少し体を傾け、弥美が背中に乗っかるのを確認し、弥美の足を抱え猛ダッシュ。
「…フェッ?!」
「あんまり動くなよ。て言うか動いたら怪我じゃ済まないぞぉ。」
「フヌゥウ。」
で、十数分到着
「もう、バカバカバカバカバカ…」
そう嘆きながら連続で殴り続ける弥美。
「遅くなるよりはマシだろ?」
「あんな事されるくらいなら遅刻したほうがマシだぁ!!」
先程よりも威力上げながら殴り続ける。
とりあえず、教室の後ろのドアを開け入る。
「すいませぇん、寝坊しましたぁ。」
「龍炎君遅れてくるのは良いんだけど何で殴られてるのかな?」
「ちょっとした諸事情です。気にしないで下さい。」
そう言い、先生の隣にいる女子生徒が何か驚愕の顔を浮かべていた。
「あれ?先生、転校生ですか?これはまた何か危ないシチュ状態ですね。」
「龍炎君、そういう発言は控えてください。では、皆さんにはもう紹介したんですけど龍炎君とヤァミンに紹介するねフランカ・ミリシャリアさん。でも、アメリカに居たのは一才までだから日本語の方が上手いんだよ。」
「ミリシャリア?……あ。」
ボクはゆっくりとその蒼髪金眼の女性指差した。
「…やっぱり。」
女性も同じ様な仕草をし出した。
「ミーシャ?」「ヘビ?」
「やっぱりヘビだ!」
「な、何で此処に?」
「ん~と、暇だったから来てみた!」
「いや、来てみたじゃなくて。」
「おんやぁ?二人とも知り合いですか?」
「あぁ、まあな。小学一年くらいだったけか?」
「そうそう、ところで何で引っ越しちゃったの?」
「まぁ、あれだ。本館が欠陥だったから廃棄ついでに別荘に引越しって感じだ。」
「あれ別荘なの?普通の家でしょ?」
「あのな、隣の家とか見てみろよ。」
「ん~、おっ、成る程ぉ。」
「お前、何時から箱入り娘化したんだ?」
「幼稚園くらいから!エヘヘヘ♪凄いでしょ?」
「凄くないよ。凄くは。」
このミーシャ、ボクの最初の友人である。昔と変わっていない所はとりあえず胸で目測まな板よりあるかぐらいである。
「ところで、殴りから筆箱で叩く事に変えている後ろの女の子は誰?」
「あぁ、居候。」
「へえ、居候なんだ。」
平等に沈黙。
『え?それだけ?』
「それだけとは?」
『普通あるでしょ?嫉妬とかそういう物が。』
「無いですよ。だって、友達として好きだから。愛しているって言う意味の好きは持っていませんよ。」
という事だと思って普通に紹介しておきました。
『なんだぁ、折角泥沼の三角関係見ようと思ったのに。』
「ゴメンなさいね。」
そう言い少し傾きお辞儀をするミーシャ。
いや、僕的にはそれで良いんだ恋愛に関しては普通を望んでいるから。
「ところで弥美よ、何時まで叩いているんだ。」
「…バカバカバカバカ」
筆箱からフライパンに物が変わり悲しく響き渡っていた。
昼食時
「えぇ?!そんな事したの?ヘビって変わらないね。前にワタシが怪我した時もそうやって運んでくれなかったっけ?」
「あぁ、確かにしたぞ。」
「小学一年と高校じゃない違うのよ!」
「まぁまぁ、ヤミ、良いじゃないおんぶ位、お姫様抱っこよりとはマシでしょ?」
「!…何ふざけた事言ってるのよ?」
「やろうと思ったけど如何考えても早く行けそうに無いので止めた。」
「やろうと思うな!」
次の瞬間、頭に凄まじい激痛がはしった。
「……弥美よ、幾らなんでも教卓はダメだろ?」
「ルミだから良いのよ!」
「アハハハ、そういえば、お姉さんは如何してるの?まだ、服従してるの?」
「「「「え?!」」」」
「ミーシャ、言い方可笑しい、服従してるんじゃない、こき使われてるんだ。まぁ、一応元気だよ。」
「へぇ、そうなんだ。…てっきり、小さな小部屋で弄ばれてるのかなと。」
「ミーシャ、そう言う可笑しな所だけ勉強するのは止めような?」
「ん~、じゃそうする♪」
「…なんかさ、仲良いっていうレベル越えてる気がするんだが。」
「……いやぁ、あれだ初めて知り合った時何にも知らない田舎娘みたいな奴だったからコイツの知らない事を僕が少なからず教えたら言い方可笑しいけど懐いた。」
「ん~、ま、そんな感じだねぇ。」
ポケーっとした感じで答えるミーシャ。
「ところで、何でミーシャなの?ミリシャじゃなくて。」
「コイツ、昔は舌足らずで、ミリシャリアをミィシャイアって言ってたから。それをそのまま聞いてミーシャって呼んでるだけの事。」
「ムゥ、そこまでじゃない!ちゃんと言ってたもん!」
「じゃあさ、ミーシャ、ミリシャ、ミリシャリアって言ってみろ。」
「ふん、簡単だよ!ミーシャ、ミリシャ、ミィシャリュア、ミーシャ、ミミシャ、ミィシャリィア!」
「ほらな?」
「ハウゥ。」
「ハフゥ、可愛いから抱きしめちゃう!」
普礼はミーシャの後ろに回ると抱きしめた。
「フワッ?!」
「フフッ、可愛い声♪ハムッ♪」
普礼はミーシャのスキを着く感じで耳カプをした
「フワヤッ。」
…やっぱ、やられるより見てたほうが面白いなぁ。
そんな事を考えながら購買のパンを食べる。
次の日、いつも通りルミ化するボク。昨日目覚ましの電池を換えておいたので寝坊する事は無かった。
いつも通り教室に入る。ミーシャが居ない事を確認し席に着いた。
ホームルーム六分前にミーシャがやってきた。
「あれ?…あれ?」
ボクの居る位置と記憶を照らし合わせているみたいだ。
「ん~と、あれ?何で、ヘビの所に座ってるの?」
そう聞くミーシャに
「此処が席だから座ってるんだ。」
と普通に答える。
「……?????」
混乱し始めるミーシャ。それを微笑ましく見るボク。
ガーーーン
突如、鉄板のようなもので頭をぶっ叩かれる。
「何、遊んでるのよ?ルミちゃん。」
「ルミちゃん?」
「ん?普通にミーシャの表情見て面白がってただけだが。」
「????」
初対面のはずなのにあだ名を知ってるという疑問で頭の上に?マークがクルクル回っている。それをまた微笑ましく見るボク。
「はぁい、五分前くらい前だけどホームルーム始めちゃうよ。おっ、龍炎さん、今日は遅れなかったね。」
「二日連続で遅刻はしませんよ。」
「???????」
?マークが多くなり猛スピードで回りだしている。
「?フランカさぁん、如何したの?」
「ルミのせいで混乱してるんでぇす。」
混乱の原因のボクはミーシャを眺めてニコニコと笑っていた。
数分後
「へぇ、そんな事あったんだぁ。」
謎が解けて輝かしい笑顔でそういうミーシャ。
「…もう少し見ていたかったのになぁ。」
ガツーーーン
「人を玩具みたいにするな!」
「……だって、何時見ても面白いから。」
…それに弥美とは違う可愛さあるし。
「…フムゥ、何か羨ましいなぁ。」
「ん?」
「これ。」
そう言いボクの胸を指した。
「可愛いし大きいし。何か羨ましいなぁ。」
「ふ~ん。」
「何で何時もの言わないの?」
弥美が不機嫌そうに尋ねる。
「とりあえず、反論する気なくなったし。それと、ミーシャに言われると本当に羨ましがれてる風にしか聞こえないから。他のは嫌味とも取れるから。」
そう言いながら髪の毛先を弄っていた。
「むぅ、反論出来ないのは何でかな?」
「だって、フランちゃんて純粋だしね。」