バカホモ兄貴
「…日は堕ちても這い上がる。人は堕ちればそのまま。地獄を見てもそのまま。我が兄、死しても尚堕ちたまま。」
…クラス中ドン引き、我が詩、そこまで引かれる物か。
「ねえ、何さっきの詩、家族についての物だったよね?」
「ん?一応家族の事だけど。」
「ルミの兄ってどんなんなの?」
「…取り敢えず、顔はいい方、中身は馬鹿より最悪。」
ヴー、ヴー、ヴー
「ん?…はい、もしもし。」
『りゅ、リュウ、助けてくれ、お兄ちゃん、死んじゃう。』
「…その場でのたれ死ね。」
『待ってええ!!実の兄だよ!?』
「実の兄だからこそ、その場で死して土に還り人々に謝れ。生まれてきてゴメンと。」
『俺ってそんな存在価値なの!?』
「…あぁ、地獄めぐりしてもマイナスのお釣りが返ってくるくらいの。」
『……よし、今に見てろよ、リュウ、今すぐお前をだk』
取り敢えず切った。
「誰から?」
「記憶に残さなくて良い人から。」
その数時間後その男が現れた。
「で、あるからしてX=4√3になるんです。」
数学の時間中、窓の外から何かが跳ねる音が聞こえてきた。
「……」
窓の方を見ると何かの登頂部が見え、そして消え、撥ねる音が聞こえまた見えるを繰り返してどんどんとその存在が確認できるようになっていった。
「……」
「おっ…リュウ…発見…だぁ♪」
ふつふつと湧き上がる衝動に俺は本能の赴くままに行動した。
先ず窓を開け、飛び上がってきたその男の頭にチョップを食らわし、全身全霊の拳の一撃を顔面陥没するくらいで打ち込んだ。
「二度と現れるな。そして死ね。地獄に堕ちろ、冥界に消えろ。我が前に現れしとき、汝土に還らず空に消える。」
鼻血と吐血で右腕と制服が赤く染まらした男はそのまま自由落下のスピードで落下した。
「……」
衝動をとまらし僕は先生に授業の再開を促し席に着いた。
下校時、トランポリンの膜を破り、地面にめり込んでいるあの男が居た。
「……」
とりあえず、近くにあったシャベルを使い、その男が入る位の穴を開け、その男その穴に突き落とし埋めた。
「安らかに眠れ、道を踏み間違えた龍炎流気よ。」
取り敢えず手を合わせ、そう呟いた。
ズガッ
右腕が現れた。
「フッフッフッフッフッフ…」
不気味な笑い声が近くになっていった。
「リュウよ、俺はまだ死なないぞ。お前を俺のものにするまでは!!」
「…地獄に堕ちろ。ていうか、この世に痕跡を残さずに死ね。」
「そういうなよ、弟よ。」
「地獄に堕ちれ。」
「なぁ、ちょっと、うちに入れてくれないかな?」
「地獄に堕ちれ。」
「……頼む。」
「地獄に堕ちれ。」
「………グスッ。」
「天国行く直前で急転直下で地獄に堕ちれ。」
「何で俺の愛が分からないんだ?!」
「地獄に堕ちれ。」
数十分後、先ほどからずっと同じ事言っていたら凄く落ち込んだ感じで手を着いていた。
「うぅ、なんで俺の愛がお前には分からないんだ。」
「分りたくも無い。ガチホモの気持ちなぞ。百合以上に分りたくも無い。」
「薔薇と百合は似たものだぞ!?」
「BLよりGLの方が見てて楽しい。」
「なっ!?お前!異性愛より同性愛の方が良いのか!?」
「誰がそんな事言った?手言うかさっさと地獄に堕ちやがれこんの龍炎家の恥め。」
「うるしぇえよ!!地獄にだって天国があるんだよ!」
「開き直って反論してんじゃねえよ。つうか、何でこっち来た?答えによっちゃ、ヤーさんに頼んで南極に運んでもらうぞこらぁ。」
「ヤーさん?お前何時からそんな人たちと仲良くなってるの?!うぅ、兄さん悲しいよ、弟がそんなになっちゃってるなんて。」
「誰が麻薬の売人と友達なるかボケェ。ヤースさんじゃ、ボケェ。運送会社の社長のヤスキさんじゃボケェ。」
「だったらそう言えや!」
「分れよ。そして地獄に堕ちろ。愛とは何かを学び直せこの野郎。」
「ふっ、これが俺の愛だ!」
そう言い俺に抱き着こうとしてきた。
「…一生植物人間にでも為ってろ。」
接近してきた薔薇野郎の股間に蹴りをぶち込む。
「おぉおおおお!!!」
悶え始める薔薇野郎の胸倉を掴みのぐるぐると回し始める。
「校舎のシミでもなってるや。」
手を離すと薔薇野郎は吹き飛び校舎の壁に激突し動かなくなった。
「一生寝てろや。」
それだけ言い、近くに置いておいたバッグを取り近くで固まっていた弥美に声を帰る事にした。
「ねぇ、ルミィ。」
ちょっとおどおどした感じに声を掛ける弥美
「ん?如何した?」
「さっきのルミ恐かった。」
「…いや、ゴメン。あの兄貴見ると殺さなければいけない感じがしたから。」
「ふ~ん。」
それだけ答える。その数秒後。、隣から寄りかかれる感じがした。
「ルミちゃんの時はあんなにならないでね。」
「…善処しておくよ。」
「そうなの…ところで、薔薇って何?」
「……ん?」
「薔薇って何って聞いたの。」
「男性の同性愛の事。ウチの兄貴がそれなんだ。」
「ふ~ん。…ねえ、百合を見てて楽しいって如何言う事?」
「ん?別に深い意味は無いけど。男性の同姓愛より女性の同性愛の方が何か仲良しって感じがしないか?やられてる側から見ると。」
「…ん~、まぁ、楽しいね。ルミちゃんの辱めるのは♪」
弥美の笑みはとても優しかったけど言ってる事は僕の身に危険を感じる事だったがその事は如何でもよくなった。
帰宅後直ぐに玄関の鍵やその他の玄関の鍵を閉め、夕食を早く終わらす。
「よし、とりあえず。弥美、一応鍵を閉めておけ。もしものためだ。」
「はぁい。」
「良しでは、解散。」
「解散!」
自室に入り、トラップの調整をする。
殺傷指定しておかないとまた潜り込まれる…明日になっていたらそれこそ最悪のバッドエンドなってしまいます。
ヴー、ヴー、ヴー
「はい、もしもし。」
『ヤッホー。』
「あぁ、姉様、何の用ですか?」
『いやぁ、薔薇君見かけなかったかなぁって。』
「……いえ、知りません。というか薔薇君て誰でしたっけ?」
『リュウ、記憶抹消しちゃダメでしょ?』
「ですが、あれが兄貴とは思いたくありません。」
『ふ~ん、じゃぁ会ったんだ。』
「三回ほど殺しました。」
『ふむ、それで今何してたの?』
「トラップの確認と殺傷設定への調整です。」
『アハハハハ。』
「ところであの脳内水飴兄貴が如何したんですか?」
『何か逃げ出しちゃったのよ。仕事放っといて。ねえ、もし捕まえる事出来たら電話してくれない?捕獲用車迎えに行くから。』
「はい、分りました。出来るだけやっておきますよ。」
『ウフフフ、お願いね。リュウ君♪』
プツ、ツー、ツー
「……あ、宿題。」
罠のスイッチを消し机に向かいやり始めた。
午前一時前、宿題は終わった。
「はぁ、終わった。」
カバンに道具を入れて。明日に備えた。
その刹那
ドクン
「グゥッ」
ドクンドクン
「グウウゥッ」
ドクンドクンドクン
「たく、早めに、寝ておけば良かった。ァアァアアァ!!」
そして気を失った。
気が付き体を起き上がらすと重心がずれていた。それと、胸が服に押さえつけられ服が伸びかけていた。
…さてと、寝るか。
少しボタンを外し胸を圧縮から開放する、その状態で布団の中に潜り込み罠のスイッチを入れ、電気を消した。
何時ものように目覚ましがなりボクは起きる。
寝惚け眼で目覚ましを止めに行く。
シュッ、バサ!、ガッ。
「……フエ?」
変な音のした方向を見るとクナイが床に突き刺さっていた。
「…あ、トラップ。」
そう考え直ぐに目覚ましを止め、トラップのスイッチを消した。
「…フワァア。」
とりあえず今日は休日なので、直ぐに着替える事にした。
「…フワァア。」
…やっぱりニ三時間くらいの睡眠じゃ疲れ取れないなぁ。
そんな事を考えながら自室から出て、朝食を作る事にした。
「……」
自室から出るとそこには寝袋に身を包んだあの男がいた。
「……」
ワタシ(・・・)はとりあえず、その蓑虫を縛り、自宅近くの電信柱に逆さづりしておいた。
「……よしっ。」
グースカ寝ている蓑虫を腕組みしてみた後に自宅に戻り朝食を作り出した。
「ハワワァア。」
「おはよう、早いね。」
「ん?おはよう。……え?!」
「如何したの?」
「ルミちゃん、髪如何したの?」
「髪?」
寝惚け眼で髪の毛を触ってみると腰に届きそうだった長さが十センチほど短くなり胸のところで乱雑に切られた状態になっていた。
「………」
アワワワワワワワ…
「ルミちゃん?」
何で?如何して!?ワタシの髪がぁ。
「……あ。」
…そういえばクナイ飛んできた時に…
考える前に動いた自室に行き、床を見るとある一点にワタシの髪がばっさりと落ちていた。
「……グスッ。」
「え?ルミちゃん!?」
「…フエッ?如何したの?」
意識がはっきりし目の前を見るとボクのっぽい髪の毛がばっさり切られて落ちていた。
…な、なんて事だ。これではポニテがショートになってしまう。
「……あれ?…そういえば、誰か居た気が…」
「…ねえ、ルミちゃん、ワタシに挨拶するまで何してたの?」
「……何してたっけ?」
小首を傾げる。
「えっ、でも着替えてるし。」
「…寝惚けてたのかな?」
「寝惚けてて着替えられるものかな?」
「でも、出来ちゃったしね。」
「…あれ?そういえば…蓑虫。」
「蓑虫?」
えっと、確か外の電子柱の所に。
そう思いボクはテクテクと自宅の外へ出た。
「いた、蓑虫。」
「確かに蓑虫ね。…え?もしかしてあれも寝惚けてやったの?」
「なのかなぁ?とりあえず、姉様に電話しておこう。」
電話を掛けると直ぐに捕獲隊がやってきて兄貴は補導されていった。
「フワァア。」
「…眠そうだね。」
「昨日深夜近くまで起きてたし、気絶して寝ちゃってたし。」
「気絶?」
「発作。」
「あぁ、それね。」
その日、ボクの髪は長いシッポではなく短いシッポが付いていた。