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ルミ

目覚ましが鳴った。昨日同様外気の寒さから逃れようとベッドに潜り込む。そして昨日同様に遅刻するのも嫌なので布団から這い出し、机の上に置いてある時計を止めに向かう。すると、普通に歩いているのに、何故か前に倒れそうな感覚に苛まれる。


「ん?風邪引いちゃったのかな?」


 ……?僕の声こんなに高かったけ?それに、何か口調が何か…まさかな。


そう思い、自分の後ろ頭に手を当てる。


 ……あれ?


何やら違和感を感じ髪の毛を少しとり、スゥウっと滑らせる。その髪は滑らかに長く滑っていった。


「おいおい、冗談だよね?」


高い声を引っ提げ鏡のある浴室近くにある洗面所を目指す。


テッテッテ、ユサユサユサ、テッテッテ、ユサユサユサ


「……」


 …何この走った後についてくる擬音は?


試しに跳ねてみた。


ピョォンピョォン、ユサッユサッ


 …なんだろ?この途轍もなくorzになりたくなるこの気分は…


鬱化しつつ到着ぅ。


「…はぁ」


鏡に映っているのは憂鬱な顔をした弥美以上と思える胸を持つ美少女がいた。


「今日、休もう。」


着替える気も起きなかったので取り敢えず弥美宛に置手紙を書き、ドクターの家に向かった。




ピンポーン


「はぁい、朝から誰ですかぁ?」


寝癖だらけの髪のドクターが現れた。


「……誰?」


「起きたらこうなりました。」


「ふむぅ、一応成功って事かな?まぁ、色々と確認したい事あるから入って。」


「はぁい。」


首を傾げるドクター。


「言葉については気にしないで下さい。」


さて、調査の名を借りた危ない行動をしようとするドクターを締め、取り敢えず終了した。


「ふむ、脳波が微妙に違うな。」


「如何いう所がですか?」


「一つは口調、もう一つは行動、前に嬢ちゃんの脳波を取った記録に合わせると口調が99%と一致した。」


「行動は?」


「50%。」


「?」


「取り敢えず、似てる所は負けず嫌いだな。それと甘い物好き。これは最初からだけど。まぁ、違ってる所は嬢ちゃんの反対って所だね。まぁ、冷静沈着。」


 それも元からだと思うぞぉ。


「で、ドクター。」


「ん?なんだい?」


「何時戻るんですか?」


「見当も付かないね。私が午前中に来いと言った意味は薬の劣化による異常の危機を回避するためだったのだよ。しかし劣化が進んでしまったのを飲んだから、実験データとは違う結果に為ってしまったようだな。」


「…その実験に使ったものは?」


「犬。」


「犬?どうせなら猿使いましょうよ。」


「サルは高いしな。それに死んじゃった場合責任取るのめんどいし。」


「何も動物園から連れて来いとは言っていません。」


「…ツッコミが冷静だな。」


「それは元からです。とりあえずボクはいつでも冷静です。…何ででしょうね?何か驚く気力も起きないんですよね。ボク的にはホント、早く戻りたい気分なんですけどね。まぁこのままでも良いや的な気持ちが混じってるんですよねぇ。」


「……ん~、鬱になりやすいのかね?自制の箍が外れたみたい。」




さて、時計が十時を示す鐘を鳴らす音により、ボクは暗い思案から抜け出した。


「……あ。」


「どうかしたのかい?」


「…寝てる。アイツ。」


「?…成る程、通りで電話もノック音も聞こえないと思いましたよ。」


 書置きの意味無いじゃないかこれじゃ。


「ん~、取り敢えず戻ってみるか。」


「その格好でかい?徒歩で。」


 …あ、そういえば寝巻きのままで来たんだった。ところで一つ疑問に思う事がある。


「良くある性転換漫画って男が女になると何か服がブカブカに為りますよね?」


「ふむ、多分、その書き換えは難しすぎるのではないかな?」


「身長より性転換の方が難しいと思うんだけど。」


さて、そのツッコミを普通にスルーされ、ドクター専用車に乗り込み家に向かった。


 …ん~、今更思うのだが、Aぐらいの方が適応出来るのになぁ。


そう考え腕を組むも、胸が邪魔で上手く組めない。…仕方ないので胸の下で組んだ。


 …ふむ、こっちの方が普通に組めるな。…あれ?若しかして僕楽しんでる?……はぁ。今日一日だけでありますように。



で、家到着ぅ


ブ~、ブ~


ん?メールだ。


『よぉっす♪二人揃って学校遅刻って何してるのかなぁ?取り敢えず、危ない噂立っちゃってるかっらメールしとくぜぇ。具体的に言うとCぐらいまで言ったんじゃないかという事だ。』


「……」


『諸事情による無断欠席だ。そしてそれではないことを断言しておく。一つ言っておくとドクターの実験に付き合っての最悪な失敗によるものだ。取り敢えず、風邪だと伝えておいてくれ。何時治るか分らない風邪と。』


そしてメールを送信した。


「ん?誰からかい?」


「ダチ。どうやら弥美はまだ起きていないらしい。」


そして、ドアを開ける。


「しかし君の家は何時来ても豪華に見えるね。」


賞賛するような声で言うドクター。


 それほどではないとは思うまぁ、普通の家の三倍の大きさがあるとは思うけど。


「それは年に五回来るかどうかしかありませんしね。」


「成る程な。…ところで、着替えるとしても元の服を着るのかい?」


「えぇ、そうですけど。」


「ん~、あ、僕の持ってるmフベラ!」


「(御庭番式小太刀二刀流奥義)回転剣舞、六連。手刀型。」

メイド服、そう言うっぽかったので、御庭番式小太刀二刀流奥義発動しといた。


「腹減ったぁ。」


朝食作っていなかったので一時間程時間使うしかないなぁ。


「はぁ、まぁ良いか。これだと昼食なってしまうけど。」


 早速作り始めるにもご飯を炊き直さないといけないし、お汁は作り直さなきゃいけないし(痛んで危ない感じの白い物が浮かんでいる。)。魚はレンジで温め直せなければいけないし。はぁ、昼食にしてはおかず少ないし。


少し溜息を付きせっせと昼食作りに勤しんだ。弥美の事を放っといたのは単に忘れていただけである、


約一時間後。


「ん~、ま、こんなもんだな。」


ヴ~、ヴ~


 ん?またか。


『諸事情って何だ?ま、放課後お前のうち行くからよろしくぅ。』


 …そうかい。


『あっそ、来たければ来い。あと、何見ても変な気だけは起こすな。……』


…遊びで、十行ほど置いて。


『……byルミ』


こうかいて送信した。


「…書かない方が良かったかな?」


 …てか、何でルミって書いたんだろボク。


案の定数十秒後に返信された。


『お前、どんな変な経験しているんだ?まぁ、取り敢えず、何がどうなってるのかしらねえが、お前にそんな気はおこさねえ!!』


『…取り敢えず。ボクが飲んだビン見て想像しろ。』


昨日、何かの記念に為るかなと思って持ち帰ったビンを携帯で撮影し添付、送信。


「いただきまぁす。」


 一人は就寝、一人は気絶という状態の家の中で平然と食べている美少女とは、傍から見れば如何いう存在なんだろうか?


「…自分で美少女って言っちゃったよぉ。」


一瞬にして気分を降下させたボクは三十分ほど掛けて食べた後、自分の服を着た。


「…ん~、前から思ってたんだがパンツに違和感を感じるのは何でだろう?」


 後、胸がきつい。何だろ?例えるとすれば中学校とかにあるバスケットボールくらいの大きさのゴムボールを詰め込んだ感じだ。…いや、これは言いすぎだった、けどそんな感じだ。


「…むぅ、取り敢えず寝てよ。」


そう思い一階の洋室においてあるソファーに寝転がり寝る事にした。




何時間経ったんであろう?誰かの視線を感じ目を開けるも誰もいない。


「……ふわぁあ。」


欠伸と伸びをし、時計を見る。


「午後四時三十分。下校時間、か。」


ポケエっとした頭でそんな事考えていると上の方が騒がしくなった。


 …弥美が暴れてるのかなぁ?


直ぐに男の怒鳴り声が聞こえてきた。


「…?」


取り敢えず、二階の方に上がってみる事にした。


「だぁかぁらぁ、これは研究であってだねぇ!」


「手前、単なるエロ人かと思ったら誰でもありか!?」


「誰が好きでカメラセットするんだ!?さっきからいってるように研究だと言ってるだろうが!」


「博士さん、貴女がそんな人物だったんですね。」


「そこの美人さん!勘違いしないでね!私は冷静で自然なエロです!!」


「単なるエロが男の部屋に隠しカメラセットするか!?」


 隠し、カメラ?よし。


ボクは近くの壁を叩く、壁に筋が入り、二本の小太刀状の木刀が出てきた。


「ドォクター?まさかとは思うけど成功しててもそんな事するつもりではなかったでしょうねぇ?」


「あの、えっと…」


 言いよどんだ。よし、確定。


「(御庭番式小太刀二刀流奥義)回転剣舞、六連。」


手刀であったため先ほどは威力が激減していたが木刀では、如何かな?


「ザンバトーーウ!!」


変な悲鳴をあげ吹き飛ぶドクターの服から…スケスケカメラで取ったであろうボクの写真がふわぁっとでてきた。


「いっぺん死んでみる?」


足で床を叩くと太刀状の木刀が一本出てきた。


天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)。」


超神速の抜刀術で地面に落下しかけていたドクターをもう一度先ほどの二倍浮き上がらせた。


「瞬動。」


舞散り始めている写真を全て一瞬にし回収した。


「…うわぁ、ドクター、何もここまでしますか。(未婚の四十前の男、おそろしや。)」


合計三十枚の写真をポケットに入れる。


「あのう。」


「ん?…あれ?いたんだ。いらっしゃぁい。」


少し間延びした声でお出迎え。


「「「へ?」」」


武井と蒼髪の由美と金髪の普礼(フレイ)が同時に首を傾げる。


「改めてこんにちは。柳炎(りゅうえん) 琉巳(りゅうみ)です。」


「「「……えええええええええ!!!!!」」」


家が崩壊するのではと思える音量で驚きを表現する三人。ちなみに弥美はこの声で起きる事はなかった。




で、小一時間後


「ふ~ん。」


「ふ~ん、なんだ。僕のこの惨状の表現が。」


「いや、あれだ、先ほど驚きを表現しすぎたんだ。」


「へぇ。」


「リュウ君、可愛いでHPが減りますから。」


「でも、スタイル良いし。出るとこ出てるし。」


普礼の目は胸に釘付けになっていた。


「……じゅる。」


ヨダレを拭く音が聞こえ見ると由美が危ない顔になっていた。


「何故ヨダレ?」


「ああぁ!!んもう!」


由美は叫びながらこっちに近付いてきていきなり僕の胸を掴んだ。


「フエ!?」


変な声を上げるボクを他所に由美さんは掴んでいる胸を撫で回し始めた。直で。


「何で、私にはそんなのないのに男のリュウ君にこんなんなの!?少し私にくれなさい!!」


 上げたいです。正直言って全部上げても良いです。ですから胸を撫で回すのはやめてくださぁい!!何か変な感じになりますからぁ!!


それを見ている。武井は赤くなりそっぽを向き、普礼は羞恥で頬を染めつつもこっちを観察していた。


「む?まさか、キイイイ!!何で弥美よりも大きいのよぉ!!」


「フヒャ!?」


「あのう、ユミさぁん、リュウ君が色々と危なくなってるからそのくらいにしてぇ。」


「…フレイがそういうんだったら止めるけど。」


「……うぅ。」


 何だろ?目の前がぼやけてきたなぁ。


「…あれ?若しかして…リュウ君が泣いてる!?」


「フエ?泣いていませんよ?アハハハハ。」


「ふむぅ、女性為ったため涙腺が緩くなっているんだなぁ。」


「…何時からそこにいるんですか?そしてそのカメラは何ですか?」


「ん?観賞用のカメラだよ。」


「お庭番式小太刀二刀流奥義。」


「回転剣舞、六連。」


右から攻撃を加えデジカメを破壊した。


「あぁ!」


「ドクター、もう一度その様な物でボクを撮影しようとしたら…命の保障は出来ませんよ。」


「はい。」


「ところでさ。弥美は如何したんだ?」


「寝てるよ。」


「この時間まで?」


「起こさないでいると一日中寝ている時もある。」


「なるぅ、つまりヤミちゃんはリュウ君の惨状を知らないわけね。」


「そういう事。」


「フワア…アアアアアア!!!!」


「あれ?起きたみたいだな。」


その後すぐに階段を下りてくる音が聞こえた。


「ルミィは居るの!!!?」


取り敢えずどんな反応を示すか静かにしておこう。


「あれ?三人ともなんで来てるの?」


「ん?二人して休みだったから何してるのかなぁと。」


「二人して?じゃ、ルミも休んでるんだ。…何処に居るの?」


「……」


「あれ?その子、誰?」


「そこに立っている人物から連想してください。」


「あれ?おじ様?…へ?まさか。」


「そのまさかだと思うよ。流巳君だよ。」


「…えええええええ!?」


成る程、予想出来ていたので驚きの声は低めか。


「…でも可愛い。」


 うん、それは分ってる分ってるから言わないで欲しい。


「苛めたくなるくらい。」


 …ん?今、また身の危険を感じる言葉を。


そう考えていると弥美が近付いてきて、後ろから抱き付いてきた。また胸なのかと考えていると耳に違和感を感じた。


「…フエ?」


違和感が消える、が直ぐにまた違和感そう何か湿っていて生暖かいもの中に入れられた感じだ。つまり、某神娘が巨乳娘にやっている耳カプと言うものである。


その後ご想像にお任せするが、前と同じ様に最後にはボクの目の前はぼやけていた。




そしてこの奇妙な一日の続きはその二日後にも起きる事はその時のボクはまだ知る由もなかった。

はい、海龍会です。

ルミちゃん(流巳)の言ってた技は某流浪人漫画に出てきます。

ついでに言いますと武井君は之より先はサブキャラ化していきます。

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