あの日のこと
二年近くの沈黙を破りこの話を投稿しよう…
読者たちの甲高い御心と温かい目の存在を信じ…
「♪~」
悲しげな曲を吹きながら、俺は指定された場所に向かっていた。
『死神、前先橋近くの廃工場に来られたし。』
紙にはそう書かれていた。
「……紙に書かれた場所に着てみたのは良いが…」
誰も居ねえな。
「誰がいないの?」
いきなり後ろから声が聞こえたので振り向きざまに銃を向ける。
「…ヒカリさん、何でこんな所に?」
月明かりに照らされ銀髪の髪を煌かせる彼女がそこに居た。
「人に銃向けながらそれ言う?」
「…貴女が後ろから声を出すから。」
そう言い、俺は煙草を一本取り出し、銃口に煙草を近づけ引き金を引き火をつけた。
「ライター?」
「それで、何で居るんすか?」
「だって、こそこそと何処か行こうとしてるんから。」
…たくぅ、何か解らないから連れて来たくなかったのに着いて来たら意味ねえしよ。
「これ。」
そう言い、先ほどの紙を渡す。
「誰から?」
「だから連れて来たくなかったんだ。言ったら着いてきたんだろ?」
「うん、まあね。」
「もしもの事を起こしたくないから言わなかったんだ。」
「そうだったんだ。」
そう話し、少しの時間が経った。
「おい!いねえなら帰るぞ!」
俺が大声を出すと、何処からか金属の何かを叩く音が聞こえてきた。
「居るんだったら姿見せろ!」
そう声を出すと近くに何かが落ちてきた。
「ん?」
俺はその何かを取りに行った、それは、黒光りする銃であった。
「之で何しろってんだ?」
その銃を取り上げ、立ち上がるのと同時に。
「ルミ君、危ない!」
…え?
ヒカリさんが走ってきて俺を押した、その刹那、銃声が轟き、ヒカリさんの体を閃光が貫いた。
「…な?!」
「ちっ!」
舌打ちの声が聞こえ、そこを見ると狙撃銃を構えた男が居た。
「お前か!!」
俺は今持ってる銃をリロードし、ソイツに向けて二発放った。
一発は男の近くにもう一発は狙撃銃の銃口に入り銃を暴発させた。
「ウワッ!?」
男はその場に倒れたらしい、俺は銃を捨てヒカリさんに近寄った。
「ヒカリさん!!」
「アハハハ、ドジッちゃった。」
「俺の、せいで…」
「こぉら!ゴホッゴホッ、自分を責めちゃ駄目だよ。こっそり後をつけた私が悪いんだから。」
血の塊を口から吐き出すヒカリさん。…早く救急車を
「でも、俺が、事情話していれば…若しかしたら…」
「じゃあ、その罪を償う約束してくれる?」
「なんですか?」
「一つ、毎年この日にチーズケーキ持ってきてくれる?失敗作でも良いから最初に出来たのを。」
「解りました。」
「二つ、新撰組を解散させても良いよ。」
「…はい」
「三つ、私の事を忘れないでね。」
「絶対に。」
「四つ、弥美ちゃんを、私の妹をお願いね。」
そう言い、ヒカリさんは、笑いながら目を閉じた。
「ヒカリさん!ヒカリさああああん!!…」
俺はその亡骸を抱きしめ、叫んだ。
「フゥ、狙いは外したがまあ良しとしようか。」
そんな声と共にせせら笑う男たちの声が聞こえてきた。
「…手前等、覚悟できてんだろうな?」
目の前が赤くなった。…コロス。
サイレンの音で我に還り周りを見渡すと、血まみれの男たちが虫の息で地面に転がっていた。その数秒
後、この工場の中に警察が入ってきた。俺は警察に連れて行かれ、ヒカリさんは病院の方に…
「それが真実です。」
ボクは目の前を歪ませながらそう話し終えた。
「ごめんなさいね。」
「良いんです、もう、昔の事ですし。」
そう言い、ボクは目の前にある『剣』を撫でた。
その後、ボクは午後二時を鳴らす鐘を聞き。昼食の準備を始めた
…というわけで過去話でした。
いやぁ、たまたまアクセス数見たらまだ見てくれてた人が居たので驚きました。
ということで、また長いことおまたせすると思いますが…次話をお待ちください。