『カレンはどう思う?』
「まて、みんな。よく考えてみてくれ。このパーティーはわれらの王に死体を会わせ、挨拶させたんだ。死体だぞ?それに、黒魔術がおかしな作用をおこして強くなっているなんて、ほんとうに大丈夫なのか、安心できるとわかるまで、魔族用の牢にいれておいたほうがよいのではないか?」
意地の悪い司祭の提案に、椅子にもたれる若い王様は大きなため息をついき、「カレンはどう思う?」と、魔法使いをみた。
「 ―― そうですね。ぼくがみたところ、《勇者》の彼はけっこうながいこと黒魔術がかかった状態なのに、・・・《賢者》であるきみはまだ魔力も体力もありそうだ。きっと教会でしっかり修行したんだろう」魔法使いは長い杖のさきをラフィーにむけ、なにかをはかるように目をほそめた。
「・・・ふうん、まあ、ぼくら魔法族には《賢者》の黒魔術のことはよくわからないけれど、こういうつかいかたもあるんだね。黒魔術をかけられた《勇者》の彼が、それを自分のなかでこねなおして新しく魔力を増やしているみたいだ。この方法って《賢者》がつかう術式のほうに近いんじゃないか? エイジェスは黒魔術に偏見があって、こういうのは気にいらないだろうけど、ぼくはこういうおもしろいつかいかたには賛成だね。魔族には魔族の魔術で戦う方が本来は効きやすいわけだし、頭がいい方法だと思えるよ」
最後はエイジェスにうなずいてみせたが、あいてはあきれたように首をふるだけだった。
「それはつまり、彼らのこのパーティーには問題はないってことか?」
まえのめりになり、勇者一行をじっくり見ようとしている若いムシール王は、どうやらこの魔法使いを、尊重しているようだ。『王様部隊』の中で黙っている口ひげの男がなにかいいたそうに眉をうごかすのをガットはみた。
「ぼくは、こういうユニークなパーティーは好きですよ。ほかのメンバーも、・・・まあ、一定の基準は満たしたレベルのようですから、もしかしたら、あの白銀のドラゴンも彼らなら倒せるかもしれない」
ずいぶんと自信あるようにいいきる魔法使いに、ムシール王は手を打った。
「よし!こりゃあすごいぞ!カレンがここまで言い切るなんて。よし。わたしが父の代わりになってドラゴンのもとへむかうのを許可したパーティーは、きみたちが初めてになる」




