キラキラ
「じゃあ、いくぜ。リミザのぶんも」
「墓前にそなえる以外の鱗は、みんなで山分けにしましょうか」
「めずらしく意見が合うわね。鱗を売ったお金で、リミザの勇者像ぐらいたててもいいわ」
《戦士》ガット、《賢者》ラフィー、《魔法使い》ラーラの三人が、戦う体勢でむこうの動かないドラゴンをにらんだ。
・・・えーっと・・・つまりおれはもう、すでに死んでいるってことで・・・
「ラフィー、火と氷、あと毒にたいする防御たのんだぜ。ラーラ、とりあえず大技で先制攻撃して、ようすみだ」
「ガット、はじめから無茶しないでくださいよ。長時間戦になるでしょうから、ラーラも回復はわたしに任せてください」
「わかってる。でも、召喚術はラフィーが頼みなんだから、自分も防御してよね」
《勇者》であるおれがいないというのに、この三人でドラゴンにたちむかうらしい・・・。
ああ、そうか。そうだよな。まあ、あんまりまとまりはなかったけど、三人とも、それぞれスキル高いし、つよいもんな・・・
「 っよ おおおおおおお っ しゃああああ 」
ガットがいつものようにさけび、おれのものであった『勇者の剣』を手に、ドラゴンへとはしってゆく。
ドラゴンは、まだ眠ったように動かないままで、その、鱗が、キラキラ反射して、ひどくまぶしい。
キラキラ、キラキラ、キラキラ・・・・
――――――
「 ・・・まっぶし・・・」
「あ、ごめん。反射してた?」
ラーラが顔の前に浮かべていた鏡をゆびでつつき、角度をかえた。
どうやらその鏡に反射した陽の光が目元にあたっていたらしい。
座ったまま後ろの木に背をあずけて眠っていたので、起きてすぐに三人の仲間をみわたせた。




