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勇者死んだままパーティー契約続行中 ― 白銀のドラゴン退治 ―  作者: ぽすしち
ー その3 ―

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25/133

『秘密』にしてね


「ラフィーだって困るよなあ。それに、自分の寿命をけずっておれにかけてくれた《黒魔術》がおかしいぐあいにかかってるって、きっとショックだよなあ。おれも、申し訳なくてさあ。だから、かかってるフリしたほうがいいかなって思って」


「まあ、そうね。ラフィーも、いままで思ってた人物像とちがってて、あたしもちょっと、・・・戸惑ってるとこ」


「ああ、ガットも実は頭つかうのが好きとか、意外すぎたよなあ」


「でしょう?なんか二人とも、ここまできていきなりキャラ変するとか、なんなの?ってかんじ」


「あ~、それもあって、うなってたのか。自分には、それがないって?」


「っべ、べつに、そんなこと、」


「ラーラはさ、そのままでいいんだよ。まじめで、ちょっとくちが悪くて、冷静に状況を判断できる魔法使いがいてくれたから、おれたちはここまでこられたわけだし」


「でもいまは、あたしだけ、・・・リミザになにもできない」


「ねえ、ラーラ。おれはもう、ただの死体だよ。だけど、その死体を《勇者》にしたままで、ラーラだって自信がないのに、《ドラゴン退治》に行ってくれるんだろ?それって、おれのためだよね?ラーラも、おれのことを思って、おれがほんとは死んでるってのを、《王様連盟協議会》に報告しないでいてくれてるわけだろ?」


「・・・まあ、うん、・・・そっか・・・」


「おれがこの状態でどこまでできるかわからないけど、ラフィーの指示がなくても、つかえる《魔術》をかたっぱしからつかってみるよ。なんか、このからだになって、魔力もずいぶんあがったんだ」


「リミザ・・・・」


「だからさ、おれがずっと起きてるとか動けるとか、このことはまだちょっと、ラフィーとガットには黙っててくれるかな? ―― ラーラとおれだけの、『秘密』ってことで」


 リミザがラーラに手をのばす。



 その冷たいゆびさきにふれ、ラーラはうなずいた。


「 うん、 ―― わかった」




 ラーラはいま、じぶんがすべきことをみつけ、しっかりとうなずいた。


 







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