いますぐ解散!(心の声)
「あの~・・・」
もういちど手をあげ、ふたりの注意をこちらへむけさせる。
「 えっとね、ここで、あたしたち、『解散』したほうがよくない? そうすれば、つぎのパーティーが選ばれて、そのひとたちがドラゴン退治にいくわけだし、なにも、こんなリミザをつれてドラゴン退治しにいかなくってもさ。 ドラゴンとむきあったとき、どうすんの?このリミザは、ラフィーの指示しか聞かないんでしょ?その指示と、うちらの回復呪文とか、防御呪文とかさ、ラフィーだけ、忙しいよね?だいたい、ラフィーがいちばん先に狙われて死んじゃったら、あたしとガットだけでどうにかしながら、そこから逃げなきゃならないんだよ?死んだラフィーとリミザをかついでだよ?どうすんの?相手は《狂暴凶悪白銀のドラゴン》だよ?あたし、・・・あたし、そんなの自信ないよ・・・」
さいごのほうは、目に涙がたまってしまったが、ラーラはぐっとこらえた。
ほんとうは、『今すぐ解散!!』とさけんで、リミザを実家にはこび、魔法使いの魔術で、どうにかしてでも元通りにしたかった。
だが、リミザはクソ賢者のクソ黒魔術にかかっていて、それを魔法使いの魔術でどうこうできるわけもない。
そのうえ、クソ賢者は自分の命をけずってその魔術をかけたなんて、告白をしやがった。
「なあ、ラーラ・・・」
ガットがこちらの肩に手をおいた。
「おれたちだって不安だけど、いまはこれを続けるしかねえんだよ。いいか、おれたちはいま、《ドラゴン退治のパーティー》だ。だから、《賢者》であるラフィーの《黒魔術》も承認されてる。いまのところ、リミザが『リビングデッド』なのも、合法ってわけだ。だが、ここでパーティーを解散したらラフィーの黒魔術はすぐに解かないとならなくなる。ラフィーの魔術がとかれたリミザは、すぐに腐り始めて、ただの『うごく腐った死体』になる。わかるよな?」
うなずかないラーラに、ラフィーも声をかけてくる。
「リミザのいまの状態をたもつためにも、ぼくたちは《ドラゴン退治にむかうパーティー》であり続けなければならないのですよ。魔族と戦う目的いがいで黒魔術をつかうのは違法になりますからね。 ―― ラーラの不安は、わかります。しょうじき、わたしにも自信はありませんが、やるしかないでしょうね」
ガットが手をおく反対側の肩に手をおかれた。
おいおい、ちょいまて。
あの、自信過剰の減らず口のいやみったらしい男はどこにいった?




