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第17話 敵地への潜入

毎日18時に投稿しています。お読みいただければ幸いです。

 王女との結婚はルキアとの戦争が終わってからということで延期になった。

 なので、リーネとイチャイチャしながら暮らしている。

 再会したリーネは泣いて喜び、その夜は寝かせてもらえなかった。

 人は信じられないが、リーネは今のところ俺のことを愛してくれていると、すこし信じることができるようになった。


 当然だが女と遊んでばかりいるわけではない。

 すべき仕事はしている。

 上下カルヒ川の両岸に要塞を設置した。

 そして、船を多量に用意した。これが作戦の肝だ。

 更に俺は、敵の土地であり、カルヒ内海北側の街アストラに行った。

 町の地理を記録すると、今度は土地の商人たちと接触、買収した。

 俺たちが来たら、船着き場にて受け入れるように手配させたのだ。

 まあ、詳細は伝えておらず、春に俺の船団が来たら、停泊させてくれと言ってあるだけだ。


 俺は北上して、敵の帝都に商人として入りこみ、情報を収集すると同時に王宮に忍び込み、仕掛けをいろいろした。

 帝都は三重の城壁に守られており、第一城壁は町の外と中を分けていて、すぐ内側には平民たちが住んでいる。

 すぐそばには川が流れていて、その川は物資の輸送に使われており、カスヒ内海につながっている。その川には船着き場があり、城壁には出入りしやすいよう大きな門が設置されていた。

 第二城壁は貴族街と平民街を分けている。貴族の屋敷は敵に対する防御砦の役割もあって、非常に堅固に作られている。

 第三城壁は貴族街と王宮を分けていて、これまた非常に堅牢に作られている。


 俺は、城の武器庫や食糧庫、城壁の下に爆裂石を入れた壺を埋めていった。

 土魔法を使えば、あっという間に埋められる。それに俺の魔力に反応するように作った魔法信管を取り付けていて、俺が地中に魔力を流すと一斉に爆発するようにしてある。

 城内の警戒は厳しいのではないかって?

 城の内部に入るのは魔法阻害の魔石や警備の魔法使い、騎士たちがいて難しいが、倉庫や武器庫は城の城壁内でもあまり目立たないところにあるのが常なので、問題なく忍び込んで設置できた。

 あと、井戸の底に同じように壺を埋めた。こちらには猛毒を密封した壺に魔法信管を取り付けてある。

 これらを一斉に爆破したらどうなるか、実に楽しみだ。

 

 商人としても情報収集では、かなりの物資を集めていることが分かった。物資を強制的に国に売却するように命じており、帝都の商業ギルドも例外ではなかった。

 まあ、大体市価で買ってくれるらしいので、商人たちも納得しているみたいだ。

 「全土から兵が集められている様だぞ。これゃ前回の時の3倍ぐらいになるのではないか」酒をおごってやった商人がご機嫌で言った。

 「前回というと、ハバル州に行った時か」というと、「ああそうだ。あの時よりも城壁の外に建てられている仮兵舎が3倍ぐらいあったぞ」

 「本当によく気が付くな。商人の鏡だ」とおだててやると、「こういう細かいところに気を配って商機を見つけるんだよ。わかっているか」と偉そうに言った。

 「ああ、あんた本当にすごいよ。ということはまだまだ売れそうだな。というか、進軍の道中で、酒や水、軽食を売ったら儲かるかな」というと、「おっ、なかなかいい考えじゃないか。兵士たちは酒に目がないからな。定価の10倍でも買うぞあいつら」と言った。

 「それじゃ東と西の街道、どちらに店を出すかな」と悩んだ風に言うと、「おい、良いことを教えてやろうか」とその商人はニヤリとしながら言った。

 「お~い!こっちに酒を持ってきてくれ。ジョッキにな」というと「がはは、わかっているじゃねえか。俺が知り合いの兵士に聞いたところだと、どうも東側に兵士のほとんどを送って、西側は抑え程度らしいぞ」と持ってきた酒を受け取りながら言った。

 「そりゃまたどうして?」

 「まあ、10万ぐらいの兵力が行くんだ。兵力は集めれば集めるほど強力になる。片方に集めて、敵をたたくのは一般的な戦術だな」と言った。

 「まあ、東は道もしっかりしているし、カスヒ内海からの補給もしやすい。西は湿地帯が多く、道も細いし曲がりくねっている。それにカスヒ内海の西側は浅瀬が多い。だから補給がしずらいという難点がある」とその商人が言った。

 「すごいな、あんた軍の将軍になれるのではないか」というと、「あはは、知り合いの兵の受け売りさ。それなりに長い付き合いの兵士で、平民だから下士官だが、結構頭の切れる奴だからな」と言った。

 ああ、そういえばこの国は身分制の厳しいところだ。有能でも、身分によっては出世できないというわけか。

 俺は商人に酒をおごりながら思った。


 帝都の周辺も探ってみた。帝都の城壁から離れたところに一軒の農家があった。周りに家がなく、ポツンと一軒建っていた。そのあたりの土地は固く、とても農耕に適さない場所だった。

 猫の額ほどの畑を耕していたが、その割には裕福そうな姿をしていた。

 厩には、南東か馬がつながれていたが、かなり立派な馬で、貧農が持つ者ではなかった。

 ニヤリと笑った俺は、その場をあとにした。


 お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

 星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


 正月三が日も終わりました。仕事が始まります。気が重いです。


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