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第12話 北方への派兵と巻き込まれる俺

毎日18時に投稿しています。お読みいただければ幸いです。

 学校に帰ると、いつもと同じ生活が始まった。リーネのおかげで更に生活が楽しくなった。

 返ってきてから3日ほどたって、突然俺はシュミット様とともに、王宮に呼び出された。

 俺はシュミット様のところに行き、「私まで呼びだされるなんてどういうことでしょうか」と尋ねた。

 「僕も分からない。とりあえず、行ってみるしかないだろう」といって、「王宮には明後日いくから、準備をしておいて。一緒に連れて行ってあげるから朝8時に僕のところに来て」と言われた。

 とりあえず服装を整え、シュミット様と合流して、王宮に向かった。


 王宮へ行くと、レッドハンド侯爵が憮然とした顔で、控室に待たされていた。

 「お爺様、どうされたのですか」とシュミット様が訪ねると、「いきなり呼び出されて、ここで待てと言われて待っている。もう小一時間もほっておかれている。侯爵家当主に対する扱いかこれが!」とかなり怒っている様子だった。

 「今から王がお会いになります」そこに呼び出しの男が現れた。

 「おい、わしをここまで待たせておいて詫びの一つもなしか!」侯爵が怒鳴ると、呼び出しの男は「私のせいではありません。文句があるのであれば王に直接言ってください」と言ってのけた。

 「わしに向かって、良い度胸だ。名前を聞いてやる」

 「いう必要はありません。早くおいでください。王を待たせるつもりですか?」と言ってさっさと行ってしまった。


 「最近宮廷貴族の領地貴族に対する態度が悪くなる一方だな。これも第一皇子の差し金か」と侯爵は憤懣やるかたないように言って、呼び出しの後についていった。

 王子と俺は顔を見合わせると、侯爵の後についていった。


 謁見の間に着くと、跪いて待つように言われた。

 ここでも侯爵は「儂やカールはともかく、シュミットは王族だぞ。それを膝まずいて待たせるとは」と言って怒っていた。

 三人は膝まずいて待っていると、王と正妃、そして第一皇子が入ってきた。

 「顔を上げよ」第一皇子が言った。

 三人は顔をあげた。

 「現在北の国境で小競り合いが起きている。シュミット、お前が指揮官となって敵をせん滅して来い」

いきなりのことでシュミットさまはびっくりしているようだ。そりゃそうだ、12歳の学生にいきなり兵を率いて敵と戦えってそれ何よって思うわな。


 俺は小声でシュミット様に「兵はどのくらいかしてもらえるのか尋ねては」というと、はっとしたように「兵はいかほどお貸しいただけるのでしょうか」と王に尋ねた。

 これにも第一皇子か答えて、「侯爵の領軍から派遣するように。3000もあればいいだろう」

 すると侯爵が慌てたように、「物資や資金は出していただけるのですよね」と尋ねると、「侯爵ともあろうものが、そのぐらい用意できなくてどうする。全部貴公が用意するように」と言った。

 侯爵はにらみつけるように「これは王の意思なのですか」と尋ねると王は何か言おうとしたが、「侯爵不敬であろう。王の意思に疑義を持つとは」と言って、第一皇子は言葉を遮った。

侯爵はにらみつけたが、何も言わなかった。


 突然第一皇子は言った。「あと、カールと言ったか」いきなり俺に話が振られた。

 「はい!」

 「貴様は騎士爵だったな。この戦いに従軍するように」

 「はっ、はい」なんなんだ、いったい。


 第一皇子が「用は済んだ。退出するように」と言って、王たちは謁見の間から退出した。

 俺たちは、追い立てられるように謁見の間から追い出された。


 馬車に乗るまで、皆無言だった。

 馬車に乗ると、侯爵が「すっかり王宮は第一皇子に乗っ取られているな。王子は王権強化主義者だからな。それに乗っかって、宮廷貴族たちも調子に乗りおって」と吠えた。

 「しかし、何で僕が北の辺境の小競り合いの解決に行かされるのかな」とシュミット様がぼやくと、「ただの小競り合いではないのでしょう」と俺はぽつりと言った。

 「それはどういうこと?」シュミット様が訪ねると、

 「おそらくもっと大規模な攻撃だろうな。シュミット様と私を殺したいのだろう。更にそれに乗じて、兵を出し渋ったとして侯爵家に罪をかぶせるつもりなんじゃないか」

 「何でそんなことを……」シュミット様は口ごもってしまった。

 「まあ、わしが邪魔なんだろう」その時侯爵が口を開いた。

 「わしは領地貴族の中でも一番の実力を持っておる。また、王に側妃を出し、お前と王女を握っている。この出兵で力を削ろうという腹なのだろう。できれば失敗をしでかしたとして、罰として領地を削って力を削ぎたいと考えているにちがいない」と侯爵はあきれたように言った。


 「カールに同行を命じたのは」シュミット様が訪ねると「おそらく王女の件でしょうね」と答えた。

 「私が死ぬと王女が自由になります。自分たちの政略結婚の道具として使おうと考えているのか、若しくはもう一度殺そうと企んでいるのか。まあ、シュミット様を消してしまえば手ごまにしても問題ないと思っているかもしれません」

 「えっ、だって王家から追い出して、皇女としての権利ははく奪されているのに……」

 「顔が治って、惜しくなったのでしょうか。あれだけきれいですから、いくらでも使いようがありますからね」

 「そんな……」


 「それでどうする。侯爵軍は総動員でも1万が限界だぞ。それにその数の動員はおそらく王家が許すまい。動員には王の許可が必要だからな」

 「とりあえず、相手の情報を探りましょう。私は敵のルキア帝国に行ってきます。侯爵様も情報を集めていただいてよろしいでしょうか」俺が言うと、「わかった。侯爵家の持つ諜報機関を使おう」と言ってくれた。

 茫然としているシュミット様に「大丈夫ですよ、シュミット様は私が絶対に生きて帰します。安心してください」

 シュミット様は心配そうに、「僕だけじゃなく、カールも一緒に帰ろう。姉上にまた会おう」と言った。


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