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久しぶり?

前回までのあらすじ

 東京に住むただの高校生、【赤城遥あかぎはるか】のバイト先の先輩【金本姫花かねもとひめか】は関西最大規模のヤクザ組織【金狼連合きんろうれんごう】会長の愛娘だった。

 親との約束の期限までに恋人を作れなかった姫花は許嫁との結婚の為に実家兼連合本部のある大阪に強制連行された。

 目の前で連行を拒む姫花を、半ば強引に連れ去るヤクザ達を見ていた遥もまた大阪へと連れ去られてしまった。

「そっか・・・それで後輩君は大阪におるんやね」


 俺は先輩の実家、【金狼連合】本部のある大阪にいる理由や先輩の部屋にいた経緯を説明した。

 松野さんに夢と共に連れてこられた事、部下の人にすんなりと本部へ、先輩の自室に入れてもらった事。


 もちろんホテルの件は話さずに・・・・


 先輩のベットに二人で横並びに座り、説明終えた俺に向かい先輩は頭を下げ始めた。


「ほんまごめんなぁ、ウチと、ウチのアホ共のせいで」


 アホ共の部分にやたらと力が籠っていた様に感じたが、そこには触れずに・・・


「いえ、俺もその・・・あのまま黙って見とく訳にはいかなかったので」


 実際あの場で何かできた訳ではないが、嫌がる先輩をあのまま連れていかれるのは嫌だった。


「て言っても俺も何もできず連れて来られちゃったんですけどね、先輩が嫌がってたのにカッコ悪いって言うかなんて言うか・・・」


 頭を掻き苦笑いをしながら自分の不甲斐なさを報告していたが、先輩はそんな俺に向かい頭を撫で始め


「ありがとう、その気持ちだけでウチ嬉しいわ」


「先輩・・・」


「それにしても、ウチに会う為に松野の忠告無視してヤクザの本部まで来るなんて、後輩君・・・」


 普段とは雰囲気の違う先輩・・・もちろん見慣れない着物姿の服装が原因かもしれないが、今俺に向かい微笑む先輩は本当にお姫様の様――


「どんだけウチに会いたかったんや?」


 ではなかった。

 うん、もういつも通〜りに俺に向かいニヤリと口角を上げ、その意地の悪い笑みを向けてくる先輩だった。


「はぁ・・・もう台無しですよ」


 俺もそれなりに覚悟を決めて会いに来たっていうのに、この人は普段と特に変わらない言動を振りまくし。

 まぁ、覚悟を決めた割にはめちゃくちゃすんなり部屋に入れたけどさ。


「そう言いなやぁ、ほら、お目当ての姫先輩やで!」


 両手を広げいつも以上に腹立つニヤケ顔を俺に見せてくる先輩。


 マズイ、俺は生まれて初めて女性に手を挙げそうになっている。

 それも年上の女性にだ。

 この強く握った拳と「グギギ」と擦り鳴らす歯でなんとか怒りを中和しているそんな状態だ。


「もう帰ります!案外元気そうですしね!もっと落ち込んでるかと思いました!!」


 言葉を吐き捨て、ドスドスと床に怒りをぶつけながら部屋の扉に向かっていると俺の右腕を全力で掴み引っ張る先輩は


「うそうそ、ごめん!ごめんやん!!待ってぇや!!」


 その力は次第に弱くなっていき、先輩はその場で俯き始め。


「ウチもどんな顔したらいいかわからへんねん」


「え?」


 そう話し始めた先輩の顔は俺には見えないが、今まで見た事がないほどに恥ずかしがっているのがわかった。


 耳真っ赤だもん。


「だって、身内以外にウチの部屋に人がおった事無いし、後輩君がここにおるなんて夢にも思ってなかったし・・・。


 不器用って言うか何というか、全くこの人は・・・


「いつもそのくらい素直なら可愛いのに」


 急に少女みたいになって・・・これじゃ俺が悪者みたいじゃないか。


「今なんて?」


 先輩は急に顔を上げたと思えば頬を赤くし、目は見開いている。


 俺何か変な事言ったか?

 変な事・・・変な事・・・変な!?


 瞬間脳裏に浮かんだのは5秒前。

 耳を真っ赤に染め、らしくない弱音を吐いた先輩を前に思った言葉。


 俺は心の中で言ったはずだ。

 間違いない、何故ならあんな言葉をこの人に面と向かって伝えると間違いなくイジり倒されるからだ。

 だから俺があんな・・・あんな言葉なんて。


「可愛いって・・・言った?」


「うっ・・・」


 終わった・・・

 少なくとも一ヶ月はこの言葉をきっかけにイジられ揶揄われる。

 例えばそうだ「後輩君が可愛いって言った先輩やで〜」とか「どうや?これも可愛いか?」的な言葉で俺のリアクションを楽しむに決まっている。


 俺はこの後の事を思うと不安になり、今にも崩れ落ちそうな膝を必死に支え先輩を見たのだが。


「い、今そう言うこと言うのは反則やよ・・・」


 さらに顔が真っ赤に染まっていた。


「ど、どうしたんすか!そこはいつもみたいに『グヘヘヘ、後輩君の弱みゲットや!』って高笑いする所でしょ!?」


「う、ウチをなんやと思ってんねん!

 ウチだってタイミングが・・・心の準備が・・・」


 予想と違いすぎる反応が来たせいか、存在しない架空の先輩を披露してしまった。

 まぁ実際俺からはこんな風に見える時もあったりなかったり・・・


 頬を赤らめたままの先輩はツッコミを入れるが、口篭った最後の方は上手く聞き取れなかった。


 やはり今日の先輩は実家という事でか、いつもと様子が違いすぎる・・・


「あっ!!」


 頬を掻き、困惑していたその時、先輩は急に声を上げた。


「ビックリした・・・どうしたんすか急にぃ!?」


 大声の理由を聞くべく、視線を先輩の顔の少し下へとズラした瞬間に、掌底が俺の顎を目掛け繰り出され。


「痛ぁっ!!!」


 その一撃にのけぞる俺の両腕を掴み先輩は180度回転させた。


「ちょ、ちょちょちょタンマやで。う、うううう後ろ振り向いたらぶっ叩くかんね!!」


「なんなんすか急に声上げたり、顎に掌底とか!」


 背中で会話をする俺は何故か脅された。


 このいつに無い焦り様から、緊急事態なのは伝わったが、いったい・・・


「ご、ごめん!でもその帯が緩んで前見えそうになったから!つい!!」


「え!?」


 思わず顔だけ少し振り向くと、次は先輩のビンタによって俺の顔は元いた位置に戻された。


「いったぁ!!」


「ぶっ叩く言うたやろ!!」


「んな理不尽な・・・」


 俺の顎と左頬にクリティカルヒットした先輩の攻撃後を両手で覆いながら俺はまた先輩を背にした。


「着崩れ直すから、い、今だけは絶対振り向いたらアカンで!ウチ今、下に何も着てないから!!えぇか、フリやないで!!!」


「分かってますぅ・・・・えっ!?

 先輩どうして下着着てないんですか!?」


「あ、後で着ようとしてたの!!」


 パニックになっているからかとんでもない事を口走り出す先輩。


 つまりアレか?

 俺の後ろには、ほぼ半裸の先輩が立っているって事か!?


「ちょっと今変な事考えたやろ!やめてよ変態君!!」


「誰ですかそれ!!」


 エスパーかこの人は・・・


 恥ずかしいからか、その場でバタバタと足を踏みつける先輩の怒りと焦りの口調は止まらない・・・だからこそ。


「じゃ、じゃあ俺、目瞑ってますから!早く直してください!」


「ありがとう・・・」


 俺は必死に目を瞑った。

 それはもう余計な雑念など寄せ付けないほどにガッと!


 しかし、目を瞑っていても耳は聞こえている。

 シュルルルとおそらく帯が緩む音が聞こえた時、先輩も落ち着いたのか元のトーンで「そもそも」と前置きをした後にまた文句を言い始めた。


「後輩・・・変態君があんな反則な事言い出さんかったら、こんな事には・・・」


 言い直さなくていいよ!

 と言うツッコミは置いておいて・・・


「な、なんですか反則って・・・」


「何かわかってないから君は――」


 先輩がおそらく不満げな顔で文句を言っていたその時だった。


 コンコンコンと。

 何やら外から扉をノックする音が・・・


「姫、お話が」


 この声・・・もしかして!

 俺の予想は先輩の声により正解という証明がされた。


「ま、松野!?」


 やっぱり!!


 先輩を実家に連れ帰った張本人。

 松野組の松野さん!


 おそらく、いや間違いなく、この人も青龍会のヤクザと同じ様に・・・【娘の愛好家!!!】


「ア、アカン!後輩君、早よどっか隠れて!」


 先輩が焦るの理由は当然理解している。

 なんなら俺も焦っている。

 再三注意した小僧が、半裸のヤクザの愛娘の部屋にいるのだから。

 こんな事、見つかれば確実に俺は死ぬ。


 大阪湾コンクリート流しコース決定である。


「えーっとじゃあ、あそことかどうですか!」


 俺の指さす先には木製二枚扉のクローゼットらしき物があった。


 あそこならドアを閉め切ってしまえばまず見つからない。

 松野さんが猟犬じみた感と嗅覚を持っていた場合は別だが・・・


「そこはアカン!!そこのクローゼットにウチの下着入ってんねん!」


「なっ!」


「そんな所入ったら変態君の事やからクンクンするやろ!?」


「しねぇーよ!!」


 まずい!

 こんな会話をしている暇は1秒たりともありはしない。

 今にもその引き戸が・・・


「ど、ど、ど、ど、どうしましょう!!」


「あわわわわわわわわ!」


 2人してパニックしている時、ついに扉は開き


「失礼します・・・姫――」


 松野さんが入ってきてしまった。

更新途切れていましたが、また出来上がったら投稿していきたいと思います。

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