Mission12:英雄、出撃2
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
2026年もよろしくお願いします。
ガレージで第02部隊隊長ノア・ブラッドフォードと別れたリアムは鉱山奪還作戦を目前に控えた第06部隊の面々を招集し、ブリーフィングルームにて会議。
「全員揃ってるか〜?…おいカイエン、イオはどうした?」
「いや、それが…体調不良だとかで…」
リアムが視線を向けた先、副隊長のリュウ・カイエンは、リアムから発せられるただならぬ雰囲気に綺麗に禿げ上がったスキンヘッドを擦りながら2m10cmの巨体を縮こまらせ答えた。
「何?体調不良だぁ…?」
「もう一度招集して来ます!暫しお待ちを…!」
「いい、俺が行く。カイエン、ブリーフィングはお前に任せる。事前に伝えた作戦内容を周知しておいてくれ。意見がある奴は改めて俺のとこに来い」
それだけ言うと、リアムはブリーフィングルームを出てイオの部屋に向かう。
「え!?あ、隊長!」
「死んだな。イオのやつ」
「怖い…怖い怖い怖い怖い」
(父ちゃん、母ちゃん、私にはやっぱり無理だよあんな化け物相手に戦うなんて…死にたくないもん!)
イオは自分の部屋でベッドに潜り込み、震えていた。イオが所属する第06部隊は近々マナメタルの鉱山を奪還する大掛かりな作戦に向かう。もちろんイオもその任務に就く事になるのだが、初陣で実際に侵略者との戦闘でその恐ろしさを経験してから、それがトラウマとなりこの調子だ。訓練校でのシミュレーションで少しはやれる気になっていたが、実際の戦闘は全然違った。それにイオが配属された第06部隊の隊長はあのセントラル防衛軍エースの一人リアム・ジョー・バニングスだ。エースが率いる部隊と言うことで、他の部隊よりも更に過酷な任務を任されることも多いそうだ。それもあってか隊長をはじめ第06部隊の面々は何かと厳つい隊員が多く、任務でも任務外でもイオは生きた心地がしていないのだ。もう防衛軍を除隊してしまいたいけれど、イオが防衛軍に所属していることで防壁の内側に住むことが出来ている両親と弟妹達の為にも除隊することは出来ない。除隊してしまうと、元いた外側の街に戻される。
「おい!イオ!イオ・ナナキ!居るんだろ、返事しろ!」
部屋の外でリアム隊長がドアを叩きながら呼んでいる。その声にイオは更にビクリとして縮こまる。
「む、無理です!出られません、体調悪いので…!」
「ウソつけ!さっさと開けろコラ!!」
「ほ、本当ですぅ…!」
「…」
イオが粘ると、部屋の外のリアム隊長は静かになった。
(い、行った…のかな?)
ベッドから顔を半分だけ覗かせて、ドアの方を見ていると、再びリアム隊長の声がした。
「…ったく、しょうがねぇなぁ!!」
リアム隊長はイオの部屋のドアを思いっ切り蹴り破った。ドアは一直線に吹き飛び、凄まじい音と共に部屋の壁に叩きつけられる。
「ぴっ…!?」
「…いい根性してんなぁイオ。仮病使ったりよぉ」
「あ、あわ、あわわ…!」
リアムはガタガタと震え上がるイオに近づくと、毛布を引っ剥がした。
「立て」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!こ、殺さないでくださいぃ!」
「おい、泣くなバカ!殺したりしねーよ!ついて来い」
「ど、どどどこに?…ですか?」
「いいから来い」
「は、はいぃっ…!」
イオはズンズンと部屋を出ていくリアム隊長を必死に追いかける。
暫く主人公達第04部隊の面々が登場していませんが、第06部隊のイオ・ナナキは第2の主人公のつもりです。もう暫くイオ達メインのお話にお付き合いください。
部下の、それも女性の部屋のドアを蹴破って侵入してくる上司は絶対アウトですが、この世界では許してください。




