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67.夏休みは豪華旅館に泊まりたい!

 私の名前は龍崎ルカ、中学2年生。

 10年前にできた不思議な空間、通称ダンジョンを探索することに、最近はハマっている。


 友達のココロちゃんに、誘われてダンジョン探索を始めてから3か月と少し経つ。


 そして、昨日からなんと夏休み!

 夏休みの宿題は面倒だけど、それ以上に楽しみなことがある!


 それはクランメンバーで、ちょっとした旅行に行くことだ。


 旅行先で、未知のダンジョンを探索できると考えたら、ワクワクが止まらない!

 勿論配信もする!


 テイマーズグランプリでは配信できなかったからね……。

 その分夏休みに配信するのだ!


 正直、多分インドア派? な私は、海とかプールとかあんまり行ったことない。

 だから最初はあんまり乗り気じゃなかったんだけど、ダンジョン探索できるって考えたら凄いワクワクする!


 それに旅行と言えば料理だ!

 美味しい料理もたっぷり食べたい!


 どんな豪華旅館に泊まるんだろう!


 と、色々想像していたんだけど。


「ここの宿な」

「豪華旅館じゃないの!?」

「そんな金あるか!」


 山本鏡さん……通称師匠は地図アプリを開いて、宿の場所を指さしながら私に言った。


 今、私達クランメンバーはソラちゃんの家に集まっている。

 夏休み前にも旅行にいく予定は立てていたんだけど、今日正式に決めようってことになったから、それについて話し合いをする為だ。


「お母さんとお父さん、お金出してくれるって言ってたよ!」


 私の親は、師匠とは何度か会っている。

 それもあって、旅行に行くならせめて私の分だけでも出してくれるって言ってた。


 ココロちゃんとソラちゃんの親もそんな感じだ。


「こっちで勝手に決めて、出していただく訳にもいかないだろ」

「私の親、そういうことあんまり気にしないと思うな!」

「大人には色々あるんだよ」


 大人って、よく分からないな。

 というか、もしかして師匠が貯金ないから、そう言ってごまかしてる!?


「師匠……お金ないの? 前結構貯金あるって言ってたのに……」

「もしもの時の為に残しておくんだよ。

 それに来年かなりの確率で動画が収益化するとはいえ、油断はできない。

 例えばアカウント削除とか収益化通らなかったりだとか、そういう時のことも考えてだな」

「色々考えてるんだね!」

「考えないと生活できなくなるからな。それにこの宿も悪くないだろ? 海も近いしな」


 確かに泊まるにはいい宿だと思うけど。


「私は別にいいっすよ! 海楽しみだ!」


 ココロちゃんはあんまり気にしてないみたいだ。

 まぁ、私もワガママ言わないけどね。


 え? さっき言ったって?

 あれはワガママの内に入らないって、自分ルールがあるから問題ない。


「私もお金を出して貰う立場なので、全然気にしません! それにこの宿もそこそこな値段しそうですしね! というか、本当にお金出して貰って大丈夫なんですか?」


 ソラちゃんが心配そうな目で師匠を見る。


「ああ。むしろ払って当然だと思っている。

 お前達がいなかったら、おそらく探索者として、こんなに目立ててなかったしな。

 広告料だと思えばむしろ安いくらいだ。というか、豪華旅館じゃなくて実はすまないと思っている」

「師匠も実は豪華旅館が良かったの?」

「宿のいい悪いをどうこう言うのも気が引けるが、正直豪華旅館には泊まりたかったな。今後の生活考えると仕方ないけど」


 そっか……。

 なんかいい方法ないかな?


 せめてダンジョン内のゴールドが現実のお金に変えられればいいんだけど、そもそもダンジョン内の物は持ち出せないし……。


「あの! もし良かったらこれに参加してみませんか!?」


 ソラちゃんが少し大きな声で言った。

 実はさっきからノートパソコンを膝の上でカタカタさせていたソラちゃんだけど、どうしたんだろう?


「データキャラごっこしてたんじゃないの?」

「いえ、そういう訳ではありません! これを見てください!」


 ノートパソコンの画面にはこう書かれていた。


“夏の短期間Vtuber大会!”


 Vtuberって、なんだっけ?

 ヴァーサーカーチューバーだっけ?


 いやそれなら、Btuberか。


「あっ! Vtuberというのはですね。主にUtubeで2次元キャラのイラストや3Dモデルを動かし、それに声をあてて活動する形態のことですね。設定を用意してアニメキャラのように活動したいからという理由や、単純に顔が出せないので代わりに2次元の体を使ったりだとか、Vtuberになる理由は様々ですね」


 心を読んだ!?

 ソラちゃんはドヤ顔で私をチラリと見る。


「ルカさんが訊こうとしていましたので、先回りしました!」

「なんで分かったの!?」

「ルカさん、いつもこういうのは私に訊きますからね」

「なるほど! 流石だ!」


 それにしても、そういう活動形態があるんだね。

 まぁ、私達は顔バレしてる上、ダンジョン探索動画・配信がメインだから、今更Vtuberになる意味は薄いけど。


 どうしてソラちゃんは今これを?


「商品として、温泉旅行券があります! 4人まで使えます! おまけに海も近いです!」


 そうなの!?


「温泉旅行ってことは、豪華旅館!?」

「かなり豪華旅館です!」

「よしっ! 参加しよう!」


 皆がソラちゃんに注目する。

 ソラちゃんが「説明していいですか?」と、皆に確認を取り、説明をし始めた。


 まとめるとこうだ。


・期限は7月28日~7月31日まで

・今回のイベント専用チャンネルを開設する必要がある

・動画やら配信を行い、高評価を視聴者からどれだけ稼げるかが勝負となる

・ちなみにVtuberに限らず他の名前や姿で活動している場合、バレてはいけない


「1からってことは、完全に実力勝負ってことだね!」

「そうですね……。知名度もいかせないので、厳しいでしょう……。ですが、やってみる価値はあると思います!」


 ということで、やってみることになった!


メイン要素ではないので、Vtuberの話は結構すぐ終わります(3章がほぼ大会だったので、念の為ご報告)

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