45.予選のルールとか
熱いバトルだったね。
というか、あんまり指示してないね!
特にデス抹茶って人!
「どうでしたか? これが昨年度の決勝戦の試合です」
「ほとんど指示してねぇじゃねぇか! 特に緑の方!」
あっ、ココロちゃんも同じことを考えていたみたいだ。
「その通りです。なんと言っても、エラードラゴンは全て自分で考えて戦闘を行っているらしいですからね」
「そういえば、私の配信でもリスナーさんが言っていた気もするよ」
「はい。それであのような指示のようです。あっ、ちなみにベルトコンベアさんは、モンスターと心が通い合っているとか、なんとかです」
「色々な人がいるんだね」
とは言っても、モンスターが独自に判断して戦闘を行うってのは、かなり思い切った戦闘スタイルだね。
「確かに戦闘中はモンスター側も臨機応変な動きを求められます。ずっと指示している訳にもいきませんからね。ですが、それでも全て自分で考えて動くというスタイルはデス抹茶さん&エラードラゴンのコンビしかやっていませんね」
「それだけの指示で済むように、事前準備をしっかりとしてきたって訳だな!」
ココロちゃんは感心したかのように、うんうんと頷いた。
対するソラちゃんは首を横に振った。
「いえ、インタビューによりますと、デス抹茶さんは特別なことは、なにも行っていないようです。技の書で技を覚えさせたりはするようですが、他はエラードラゴンの独学のようです」
あれ? でも……。
「特訓はして来なかったの? 流石に特訓しないとキツイような気もするけど」
「特訓は、高難易度ダンジョンで勝手に戦って貰っているようです」
「放し飼いってこと?」
「一応モンスターと戦闘をさせる際には、ダンジョン内にデス抹茶さんはいるようですが、大体ルカさんが考えているような感じですね」
となると、かなりの実力を持ったモンスターってことかぁ。
「で? このチャンピオンに勝つにはどうすんだ?」
そういえば、今日は対策を立てる為に集まったんだったね。
これだけの相手だからね、対策をしっかりと立てておかなくちゃまずい。
「そうですね……私としましては、とりあえず特訓して強くなるとしか……」
「まぁ、そうだよな」
指示がないんだったら、そうするしかないよね。
「他の試合映像とかって見られる?」
「他ですか」
ということで、デス抹茶さん&エラードラゴンの試合を色々と見せて貰ったけど。
なんというか、無駄な動きをしないね。
しかも相手のモンスターによって、エラードラゴンは戦略を変えている。
まさに、オールラウンダーって感じだった。
「う~ん。やっぱり特訓しかないって感じかな?」
「難しいですよね。ですが、デス抹茶さんを倒せなければ優勝はできないでしょう」
「今年デス抹茶さんは参加するの?」
「はい。トゥイッターで言ってました」
「なるほど」
私SNSはUtubeしかやってないから分からなかったよ。
トゥイッターってなんかたまに話題になるよね。
私も今度やってみようかな?
「チャンピオンに関しては戦闘力を高めるとしてだ、確かこの試合って予選があるんだったよな?」
予選?
「そうですね。本選に進むには予選を勝ち進む必要があります」
ソラちゃんが説明してくれた。
運営が用意した人口的に改造されたダンジョンに隠してある、テイマークリスタルを8個集め必要があるみたい。
ただし、本選に進めるのは先着16人だけみたい。
他のプレイヤーからテイマークリスタルを賭けての戦闘も行える。
けどその場合、両者の同意がないと駄目だってさ。
「これに関してはどうだ? やっぱり心理戦が重要なのか? 漫画とかだとそうだよな」
心理戦?
「私は参加したことないのですが、確かに重要ですね。例えば、手持ちのクリスタルが少なくても、自分自身の失格も賭けることができますから」
「失格を賭ける?」
「はい。負けると失格になるんです。ただし相手にとってはライバルが1人減りますので受けるメリットもあるんですよね。しかも相手を失格にさせた場合、その人は失格になった人のクリスタルを全て得られますからね」
なるほど、あえてクリスタルが少ない相手に試合を申し込むって戦略もありなんだね!
「戦闘を避けて、隠されたクリスタルをひたすら探すも良し、戦闘で相手からクリスタルを奪うも良しって訳だな! 私達は後者だな!」
「そうだね。私探し物下手だし……」
「私はなるべく戦闘を避けるつもりです。あまり戦闘得意じゃありませんしね。勿論、本選に向けての特訓は行いますが、なるべく負ける要素は排除したいので」
ってことはソラちゃんと戦うとしたら本選だね!
「決勝で会おうって奴だね!」
「そうですね!」
とりあえず本選を突破しなくちゃならない!
でも、私達がやることは変わりない!
とにかく戦闘力を高める!




