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34.争奪戦

『よーし! じゃあ早速行こう!』


 私は2mの姿に変身し直した。

 ずっとあの姿だと、いざって時にガス欠になっちゃうかもしれないからね。


「これ錬金術に使えそうです!」


 ソラちゃんは生えている草を採取して、異空間に収納した。

 ここはできたばかりのダンジョンで、人の手が加えられていないからね。


 きっと見たことのない色々な草とかがあるんだろうね!

 素人ですらない私には分からないけど!


『それにしても、ほとんどの探索者が中層に向かってるね』

「そうですね。やはり、中層を超えた下層に伝説のチョココロネが眠っていると考えている方が多いですからね。もっとも、今の段階では下層への行き方は分かってないのですがね」

『案外上層にあったりはしないのかな?』

「ここまで多くの方達が探していても見つからなかったってことは、おそらくない可能性の方が高いと思われます」

『確かに……』


 私達はモンスターとあまり戦闘をせずに中層へと進んだ。

 なぜかというと、他の探索者達がモンスターを倒しているからだ。


 これだけの人数がいちゃ、そうなるよね。


「お金ないんです! 多分売らないので、サインください!」


 途中、見知らぬ探索者に、サインを50枚くらい求められて嬉しかったんだけど、皆の助言で1枚だけにした。

 高値で売られる可能性があるからみたい。


「あああああああああああああああああああああああああ!!??」


 私達が中層に入った途端、叫び声が聴こえた。


「空からチョココロネが降って来たぞ!!」


 そう叫んだ探索者の言った言葉は本当だった。

 眩い金色のオーラをその身にまといながら、ゆっくりと落ちてきた。


「これは俺のだああああああああああああああああああああ!」

「いや、私のだ!!」

「いやいや……いやあああああああああああああああああああああん!!」


 色々な人が、そこに群がる。

 すると、そのチョココロネは森の方へと飛んで行ってしまった。


「俺のコロネが!」

「ちっくしょー!」

「早い者勝ちだ!」


 皆、伝説のチョココロネが向かった森へと走って行った。


『私達も行こう!』

「当然だ」

「腕が鳴るぜ!」

「私はここで待ってます……」


 ということで、私と師匠、ココロちゃんで、伝説のチョココロネ争奪戦に参加した。

 人がいっぱいいるから、危なくて魔法は使えないけど、絶対に手に入れるぞ!


 そして、その争奪戦は大体30分くらいで決着がついた。

 意外と短い。


『やった!』


 そして、ゲットしたのは私! だけかと思っていたんだけど……。

 同時に掴んでいたみたいで……。


「俺が先にゲットした! なぁ、マイエンジェル!」

「そうよ! マイダーリン」


 確かに、同じタイミングだったような……。


「けど、同じタイミングだったような気もするわ!」

「なんだって!? それは本当かい!?」


 と思ったら、向こうの彼女さん? は私と同じ意見だったみたい。

 とりあえず、私達は先程いた場所へと戻る。


 皆が私達に注目している。

 ちなみに、私は今変身を解除している。


 そして私達に注目する探索者の中の1人、包帯を巻いたミイラみたいな人が、手を挙げた。


「いてて……おじさんにちょっといい案があるんだけど、試合で決着を付けたらどう?」


 この声はガケから落ちて行ったおじさん!

 無事だったんだね!


 それにしても、試合ってここでできるの?


「勿論! 実は最近開発されたばかりのアイテムをおじさん持ってるからね! これを使えば、試合みたいに痛覚&ダメージ無効、代わりに出現したHPゲージが減る仕様に、一定範囲フィールドを変化させられる優れものさ!」


 ってことは、スタジアムの時の試合と同じで、思いきり戦えるってことだね!


「けど、フィールドを展開している途中に野生のモンスターが侵入して来たり、攻撃して来たりすると、効果は切れるから皆に協力して貰う必要はあるけどね」


 なるほど、これがあれば結界みたいな使い方をして、安全にダンジョン探索ができると思ったけど、そう上手くはいかないみたいだね。


 ということで、丁度いい広場で試合をすることになった。

 他の探索者達はフィールドの効果が切れないように、野性のモンスターが侵入&技を放って来ないように見張っていた。


「ちょっと待ってくれないかな?」


 向こうの金髪の彼氏さん? が、手を挙げた。


「私の名前は、スウ・ズズザ。君にとってはおっさんで話しにくいとは思うが、気軽にスウと呼んでくれたまえ。ハンドルネームだけどね」

「あっ、私は……」

「知ってるよ! 破壊龍ちゃんだろ?」


 知っててくれたんだ!


「キミの強さは知っている。勿論、とてもじゃないけど敵わない。そこでだ、私達の得意な2対2の勝負、更にキミのパートナーはこちらで選ばせて貰いたい」


 ええ!?


「私からもお願いするわ」


 彼女さん? からもお願いされてしまった。


「私のハンドルネームは、フウ・ズズザ。恐らくあんたより年上よ! べ、別にっ、マウントとか取って無いんだからね!」


 私の年齢情報は、公開はしてないけど、大体中学生ってバレちゃってるからね。


「どうなの!?」

「えっと……まぁ……」


 後ろをチラリと見る。


「このままだと面倒だから、相手してやれ」


 って、師匠に言われたから、その条件を飲むことにした。


「計画通り……!」


 スウさんが嬉しそうにしていた。

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