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イシュタル  作者: 平 一
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5 理事種族アスタロトの意見

挿絵(By みてみん)


「アモンの悲劇には及びませんが、後に戦闘が激化した際、私も同様の哀しみを経験しました。それは、私の艦隊が中心星域で転戦し、旧帝国派の勢力を引き付ける間に、現皇帝が途上・外周星域に赴いて協力を求めるため、別れの挨拶を交わした時のことです。もし一方が破壊され、他方がその残骸を回収した場合には、アモンと同様に融合と再生を図ることを約束し、私達は各々の目的地へ進発したのです」


「しかし、これもまた幸いなことに、現皇帝の誠実な告知と謝罪を受けた途上星域の諸種族は〝強健侯〟に協力して健闘しました。〝辺境王〟と指揮下の外周星域種族も〝光輝帝〟の智略と〝熱情王〟の政略に支えられ、勇戦しました。彼女達の努力は、正当性を失った旧帝国軍の士気喪失ともあいまって、現皇帝の命を救い、両星域の戦況を優位に保ちました」


「一方で私の艦隊もまた、旧皇帝領におけるバールゼブル艦隊の活躍と、中枢種族の分裂による混乱に助けられ、旧帝国戦力の外周方面への進出を防ぎ、さらには懸命な説得により、その大半を新帝国に帰順させることに成功しました。旧帝国の激烈な内紛と非人道的戦略により、多くの宙域が荒廃したことを考えると、新たな帝国の(いしずえ)となる星域を守り抜けたことは、誠に不幸中の幸いでありました。ゆえに私もまた、今後さらにそのような悲劇的事態を繰り返すことは、本意ではありません」


〝正義公〟アスタロトは渡り鳥から進化した種族で、自由と平等を尊ぶ生真面目な種族だ。実はその性格が災いして、旧帝国時代には中枢種族の罠にかかり、治安任務の遂行中に、母星が荒廃するほどの被害を受けている。そのため当時、彼女の資質を惜しんで復興に協力し、艦隊司令官の地位にまで導いたサタンに対しては、絶大な信頼と忠誠を抱いている。

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