表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロールプレイが力に変わる!VRDCG ライブラカード・オンライン  作者: あるゔぃす
第一章:新世界/出会いのワイバーン
6/7

6話 第一章:新世界/出会いのワイバーン-5

「一気に3乙を食らわせてやりましょう!グランド・ヤジギラス!いっけー!!!」

 ズシン……ズシン……

 歩みを止めていた怪獣が再び両の脚で進撃を始め、その巨体は大地を揺らす。

「ッゼノでブロック!」

 カゼン氏の口調に初めて焦りが見える。当然だろう。あんなの(怪獣)が出てきたら誰だってビビる。


 邪魔だ、とでも言うように長大な尻尾の先端で無造作にゼノを1機しばく。現実であれば周囲に物凄い被害を及ぼしていたであろうが、そこはあくまでも絶対のルールが存在する世界。その被害はゼノ1機、そして《対怪獣・迎撃要塞都市》の効果によりライフダメージ1点で済む。

「トリガーは無しだ」

「ターンエンドですな」

 

 その後カゼン氏は量産型ゼノを1機召喚しターンを終了する。ライブラでは行動を終了したモンスターでもブロックが可能だ。ゼノのアタックではもめん氏のライフまでダメージが届かない。

 次のターンのもめん氏のアタックで、再びゼノ1機、ライフが1枚削られる。これでカゼン氏の残りライフは1。迎撃要塞都市の効果でパワーが5000に伸びているとはいえ、相手の盤面には10倍近くのパワーを持ちHPが満タンの大怪獣。端的に表すと絶体絶命だ。


 しかし、ライフから手札に加わったカードを見たカゼン氏の口元には、ニヤリと一瞬、不敵な笑みが浮かんだ。間違いない。「何か」を引いた顔だ。


「俺のターン!ドロー!」

 腕で半円を描くような、オーバーな動きで山札からカードを引く。一人称が僕から俺に変わっている。これはゾーンに入ったというやつだろうか。

 

「《起源帝国軍駆逐艦・ジビルド》!発進!」


 直線が多めな造形の戦艦がカゼン氏の後方に浮かぶ。戦艦といっても海に浮かぶ方ではなく宇宙戦艦の方だ。上下にいくつかの2連砲塔が見える。

 アニメでよく見る母艦的なやつよりはかなり小ぶりだが、駆逐艦とはそういうものなんだろう。


「そして《量産型ゼノ》!1機出撃!」

 戦艦の下部にあるハッチが開き、上下にレールが伸びてくる。ハッチの中、レール中央には人型ロボットが1機射出を待っている。我らがゼノだ。

 準備が整ったようで、レールの中央ににわかに電撃のようなエフェクトが走り、前傾姿勢を取ったゼノがレールに沿って高速で射出される。ゼノの足元に装着されていた射出用の土台が収納されていく。

 

 細かい!このゲームの演出を作っている奴はさぞやロボットアニメが大好きなんだろう。異常に力が入っている。

 

 しかし、このかっこいい演出とは対照的に、カゼン氏はここでターンエンドを宣言。

「ここでラストターンですかな!ドロー!」

 劇伴は依然として、砂嵐によく似合う重厚なメロディーを奏で続ける。


「もはやカードのプレイは不要!グランド・ヤジギラス!アタック!」

「そしてトリガー発動!このカードは「大怪獣」がアタックしている時しか使えない!《暗黒破壊光線》!相手フィールドのカードを全て破壊ですぞ!!!」

 怪獣が口を閉じ、ゆっくりと上を向く。そして、


 1カメ


 2カメ


 3カメ


 別々のアングルで3度映し出されるのは、怪獣の口から放射される極大のビームの発射シーンだ。

 ビームの芯となる中央は赤、周りは白。暗黒という名前とは少し違う色だが、この色は高出力のビームであることを表す不文律(おやくそく)のようなものだ。


 ビームがゼノ部隊に、街に迫る。戦艦が前に出て、盾のように全てを庇おうとしている。しかしビームはあきらかに破壊力の高そうな見た目をしている。どの道射線上のすべては一瞬で溶けて消えるだろう。




 戦艦の目の前に差し掛かろうかというところで、ビームの進行があきらかに遅くなる。

 よくある演出に見えるがこれは多分アレだ。カゼン氏の何らかの効果の確認待ち、というところだろう。


 宙がキラリと光る。空の、さらにその上から一条の光が高速で突っ切り……


「――誘発、起動!」


 戦艦の目の前に差し掛かろうとしていたビームが、突如弾ける。光条となった光が、四方八方に飛び散り砂漠を灼く。


「一度に2枚以上のカードが相手の効果でフィールドを離れるとき、手札をすべて捨て、このカードをコストを支払わずに召喚することでその効果を無効化し……」


 ビームがだんだんと細くなり、やがて消える。プレイヤーの目に優しいようやや光量が抑えられた着弾地点――舞い降りた謎の機体の姿が見える。

 構える盾からは、なにやら薄緑のフィールドが展開されている。普通の盾よりも上位の存在である証、ビームで構成されたシールドだ。胸部からいかにも急造品といった感じの太いケーブルが2本、背中に向かって伸びている。ケーブルの接続先でもある背中の大型バックパックから生える、しろがねに輝く大きな翼。ロボットらしいカッチリとした直線に見えるが、翼の随所に曲線を用いた天使の羽のような意匠が施されている。

 そしてボディはお馴染みの薄緑、手足になにやら増加装甲が追加されているが全体的にシンプルめなデザインで構成されたツインアイを持つ量産機……


「……ターンを強制的に終了する!《核動力試験型 スーパー・ゼノ》! さぁこれが本当のラストターン!行くぞドロー!」

 

意外かもしれませんが手札から飛び出てきてターンを強制終了させる誘発カードは現実にも存在します。

やや条件が厳しかったものの、新環境のデッキの多くが条件を達成するようになった結果強すぎて一気に無制限→禁止になりました。8月から使えなくなります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ